
Works
小田急江ノ島線の終着駅、片瀬江ノ島駅の建替えである。1929年の開業以来、「竜宮城の駅舎」として観光客や地域住民に親しまれてきたイメージを踏襲し、東京オリンピックのセーリング会場となる江の島への玄関口として、インバウンドをはじめとした観光客にインパクトを与え、想い出に残る駅舎を目指した。設計にあたり、日本各地に残る「竜宮伝説」中の架空の宮殿「竜宮城」を具現化するために、社寺建築の竜宮造りの再解釈から始めた。宮大工の伝統木造建築の技術を駆使し、軒廻りや錺金物、彫刻等の各部装飾を匠の技で実現している。また、御伽噺の「浦島太郎」や江の島の 「五頭竜と天女の伝説」から着想した海の生き物のモチーフを建物各所に採用して遊び心も加味した。さらに、新江ノ島水族館とコラボレーションしたクラゲ水槽の設置や季節・イベントにあわせた夜間ライトアップ等により、駅舎としては他に類を見ない、海の観光地江の島のシンボルとなる「竜宮城の駅舎」が実現した。
- 竣工年
- 2020
- 主用途
- 駅舎
- 延床面積
- 937.20m2
- 構造/規模
- S造/地上2階
- 設計・監理
- 株式会社小田急エンジニアリング 清水建設株式会社
- 企画設計協力
- 株式会社菅野企画設計
-
-
関 雅也
-
-
赤坂 恭子