
Works
平成元年より始まった境内整備計画の一環として、金物に依らない伝統木造構法を採用した鼓楼の新築である。
寛永時代の古図のみを頼りに、袴腰の特徴的な外観のバランスを追求し、各部の比例には黄金比やルート長方形を用いて全体のプロポーションを整え、のびやかで力強い軒反りと相まった優美な姿を実現した。
仕上には、現在では新築建物にはほとんど使用されない材料、工法を採用し伝統技術の伝承に取り組んだ。十二支を題材とした木鼻は、檜に彫刻を施し、漆で塗固め、金箔を押し、その上に岩絵の具で彩色した。何段階もの工程により、劣化していく過程でも木地が現れず腐食しづらい仕様としている。
- 竣工年
- 2015
- 主用途
- 神社
- 延床面積
- 37.03m2
- 構造/規模
- 木造/地上1階
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福本 敦子