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武蔵一宮氷川神社 祈祷殿・神札所

計画建物は、伝統木造としては大規模な建物となるが、既存社殿との調和を考慮して細い木割とすることを決め、これを伝統構法でつくり上げることを目指した。構造的には実大実験によって性能の検証を行った。金物を用いない独自の仕口を適用し、耐震性・耐久性に優れた建物を実現した。
日本伝統建築の美しさを決定付ける大切な要素として軒廻りのデザインがある。細長い平面形状のため、妻面9.2mに対し正面60.5mと大きく長さが異なる軒廻りを、破綻なく納めるかが設計のポイントとなった。真直ぐな長い線は、中央がむくって見えてしまうため、平らな所のない総反りとし、長く単調にならないよう隅に行くほど勢いのある曲線を目指した。総反り、捻れ軒、隅伸びなど高度な規矩術を駆使してまとめ、境内の既存社殿と調和する優美な外観を実現した。

竣工年
2013
主用途
神社
延床面積
690.12m2
構造/規模
木造/地上1階

福本 敦子