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清水建設の社寺建築・伝統建築


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三菱銀行佐原支店旧本館保存修理工事
〜三菱銀行佐原支店旧本館保存修理工事についてご紹介します。

三菱銀行佐原支店旧本館(現:佐原三菱館)は、1914(大正3)年12月に川崎銀行佐原支店として千葉県香取市に建設。1923(大正12)年に発生した関東大震災の被害を免れ、1943(昭和18)年には三菱銀行佐原支店へと名前を変え、銀行店舗として使用され続けました。1989(平成元)年には銀行として働きを終え、香取市の観光、交流施設「佐原三菱館」として存続していくこととなりました。1991(平成3)年には、県指定有形文化財に指定されました。

創建当時の三菱銀行佐原支店旧本館

東日本大震災の影響で煉瓦などの著しい損傷がみられ安全を考慮して閉館していましたが、観光の拠点的な施設として活用していくという目的のもとで耐震診断を行ったところ、地震時の耐力が不足しているため、耐震補強工事とともに改修工事を行うことになりました。

保存修理前のドーム屋根の様子

工事期間中は、伝統的建造物群保存地区での工事という事もあり、景観に配慮しプリントシートを足場外部の養生シートに採用しました。

景観にも配慮したプリントシート

耐震補強として煉瓦壁内を乾式穿孔し、そのコア抜きした箇所へPC鋼棒を縦に通し、煉瓦に圧縮力をかける補強を行いました。

煉瓦壁内を乾式コアボーリング(ドリル)で穿孔

煉瓦壁が内外方向に倒れるのを防ぐため、2階回廊と小屋裏内部に水平鉄骨トラスで補強しました。

鉄骨トラスの取付状況

ドーム屋根は銅板葺、下地を一度解体し、建物の歴史を保存することを目的に、過去に火災の被害を受けながらも残存していた木材を挟むように両側から新規木材で補強しました。

黒く変色した部分が火災を受けた既存木材

上屋根は銅板を解体し新規に葺きなおしました。下屋根部分は修理前は銅板葺きになっていましたが、創建当初の仕様であったスレート葺きに復原しました。

ドーム屋根の新規銅板葺きなおしの様子

創建当初のシャッターが残っていましたが使用できなくなっていたため、解体し、洗浄、錆止めやワイヤー交換などのオーバーホールをすることで、再び稼働できるように修理しました。

シャッター上部のワイヤー交換時の様子

建物内部の暖炉や手すり、螺旋階段などの内装は、創建当初の設計図と古写真を基に復原をしました。

竣工後の暖炉(左)と螺旋階段(右)

建物外部は痛んでいた箇所の修理のほか、銅板屋根の葺替え、銅板製飾りの取替、煙突の復原などを行いました。

屋根、煙突復原後の様子

竣工後の佐原三菱館



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