ページの先頭です
ページ内移動用のメニューです。

清水建設の社寺建築・伝統建築


このページは、トップページの中のトピックスの中の西新井大師総持寺 山門保存修理のページです。


ここから本文です。

西新井大師総持寺 山門保存修理
〜西新井大師総持寺の山門の耐震補強工事と劣化修理についてご紹介します。

西新井大師の名で知られる五智山遍照院總持寺は、東京都足立区にある真言宗豊山派の寺院です。

その山門は江戸時代後期に建てられたもので、足立区指定文化財にも認定されています。平成23年3月の東日本大震災を契機に、近接する参道商店街から今後起こりうる大震災による倒壊等を心配する声が上がり、同年10月より耐震診断や劣化調査を行い、結果を受けて「耐震補強」と「劣化修理」を行うこととなりました。

総持寺所蔵の銅版画(明治30年発行)からも建立当時より大きな改変が行われていないことが分かっており、意匠の変更や既存部材の加工を最小限にとどめる文化財保存修理に沿った「劣化修理」を行うこととしました。

「耐震補強」については「建物内部に鉄骨造補強架構を新たに組み込み、建物の主要木部材と接合する方法」にて行うこととしました。立地地盤の特性を考慮し、基礎補強は建物の不同沈下および地震時の地盤液状化に対応する計画としました。

既存建物の礎石下部には、ろうそく石、底盤石が確認され、以深には松杭の存在が推定できました。そのため、現位置では耐震改修のための杭基礎とこれらが干渉することが判明。

さらに、山門は門前から建物全体が見渡せないこと、軒先部が境内地から道路側に越境していたこと等を考慮し、配置を本堂側に6m移動する計画としました。

山門の移動(曳家)に先行して、移動予定の場所に山門・脇塀の荷重を受け、補強鉄骨の柱脚も固定するためのコンクリート基礎を構築しました。

山門の曳家は、角材を「井」の形に組んだ支台(サンドル)の組立⇒足場の根元を固める鋼材の配置⇒レール〜木柱緊結⇒揚屋⇒既存礎石の先行移設⇒曳家用サンドル組立⇒曳家用レール・曳家用装置をセット⇒曳家の手順で行いました。

曳家後には、旧山門礎石下に埋まっていた遺構の調査を、専門業者にて実施しました。既存ろうそく石と、新しく整備する山門前石畳基礎とが干渉するため、調査後はろうそく石を発掘し場外に保管。その後、山門脇塀前の「車止め石」として再利用しました。

補強鉄骨の製作に先立ち、山門を構成する木部材(軸組材・小屋組材・化粧材)の配置を確認するために3D計測を行いました。その後補強鉄骨製作図との重ね合わせを行い、干渉有無・取合い詳細を確認しました。

本格的な軸部修理にあたっては、工事中に建物を風雨から守るため素屋根を設置しました。

曳家が完了し仮ジャッキダウン後、1階柱の交換(1本)を含む軸部修理のため建物を上層部分で掴み直して揚屋を行いました。これにより、腰組廻りを含めた半解体修理が可能になりました。

補強鉄骨建方に関しては、小屋桔木はねぎまで解体した段階で、一部素屋根ユニットを取外し上部から行いました。

創建時の屋根の形を復元するため屋根現寸図を書き起こし、そこに取り合う旧部材を重ね合わせ、今回復元する屋根の形・寸法を検証しました。

小屋組の復旧に際しては、桔木はねぎの追加による補強を行いました。

野垂木のだるき野地板のじいたに関しては、旧部材を傷みが少なかった西側に集め、その他の範囲は新材にて補完。さらに、旧材の隣に添木することで強度を担保しました。

解体調査時、過去の漏水修理が多数見られたため、今回修理では屋根全面に防水材を施し漏水防止を図りました。

また、降棟部の雨水等を受け止めるための捨銅板、銅板で包んだ鬼板(屋根の両端にある板)の設置等、現在の銅板葺技術を散りばめました。

建物の外装については、至る部位に張られていた千社札を撤去。併せて清め洗いを全部材に施しました。

木材木口に関しては、古い塗材を撤去し再度塗装仕上げを施しました。

金属を細工したかざりに関しては、洗い⇒箔押し(⇒一部は墨刺)の手順で修理を行いました。金物の状態が良く、9割以上を再利用することができました。

境内にあった礎石は、総持寺所蔵の銅版画を参考にし山門の前面に移設しました。

2階内部竣工写真

外部竣工写真



ここからフッターメニューです。
ページの終わりですページの先頭へ戻る