虎麻プロジェクトにビジネスを学ぶ 2022.11.14

大所帯の士気を保つ。

事務グループ

01 プロジェクト課題

大きな事務所を
少ない人数で切り盛り

二百数十名もの所員が常駐するA街区。この大規模現場を切り盛りするのが事務グループだ。事務所の整備から運用、所員の勤怠管理や日々の支払処理などを、12名で担っている。「一般的な現場と比べて所員の人数が桁違いに多いので、1つ1つの業務のボリュームに圧倒されそうになりますし、様々な課題に直面します。苦労は絶えないですが、楽しみながら取り組んでいます」と太田。その上、コロナ禍における社内の対策ルールに則り、感染対策に努めている。「コロナ対応は状況に合わせルールが変わるのが大変なところで情報をキャッチアップしながら、所員の勤怠を把握し、適切に管理していく必要があります」。その他に事務所内の文房具等の消耗品、弁当の発注、見学会の対応なども行っており、事務グループの業務は実に多岐に渡る。
昨年末には仮設事務所からA街区のタワー内に事務所を移転。計画・現業グループと連携しながら、予定通りに引っ越しを実行したのも彼らだ。「仮設事務所から新事務所への引っ越しは予想以上に時間がかかり大変でした。新事務所を円滑に使用できるように、様々な意見を取りまとめ所員に伝達しました」と太田。二百名以上の所員が常駐する現場は、一つの会社のようなもの。所員数に対し少ない人数で切り盛りするには効率化が欠かせない。

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02 ブレークスルー

徹底したIT活用とマニュアル化

効率化のために活用しているのがTeamsだ。オンライン会議が主な目的だが、登録したチーム内で、エクセルなどのデータを共有できる機能も活用している。「墜落制止用器具や空調服の所持状況調査、更衣室ロッカーを効率的に配分するための出勤時間調査など、所員からはTeamsで回答をもらっています。一元管理ができるのでとても効率的です。また、離着任者の登録管理や電子機器の登録などもTeamsでまとめて管理しています。タイムリーに更新できるので、「これを見れば大丈夫」という安心感も大きいです」と2年目の髙𣘺。連絡事項などはビジネスチャットも活用し、効率よくコミュニケーションを図っている。
そして、IT活用と共に重視しているのがマニュアル化。その一例が見学会の対応だ。担当者以外でもきちんと対応できるようにマニュアル化が徹底されている。「ここは日本中から注目されている現場であり、以前は毎日のように見学者が来る月もありました。見学に来る方は社内の技術者にとどまらず、学生や外国の方など様々です」と髙𣘺。「これだけ大きな建設現場を見てもらえるのは会社のバリューアップにも繋がります。少しでも現場の魅力を伝えられるように気合を入れて準備しています」。見学会をスムーズに進行させるための準備や、業務をしっかり共有し、お互いにカバーし合える体制をつくることで、多くの見学者に有意義な時間を提供し続けている。

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03 仕事の流儀

モチベーションアップに
つながるきめ細かな心遣い

A街区の入場口に入るとまず目に飛び込んでくるのが、通路の壁に貼られた工事現場の写真だ。A街区タワーが高くなっていく様子を毎月の定点写真で振り返ることができる。他にもこれまでの現場写真や、清水建設の公式インスタグラム「現場図鑑」用に俳優の橋本愛さんが撮った現場写真も、本人のメッセージを添えて掲示されている。
来場者を楽しませる、こういった企画を担当しているのが2年目の田中だ。「私たちは事務所内で業務をしているので、普段現場の人たちがどのように働いているのか見る機会はそう多くはありません。だから現場で働く所員や職人さんの表情が写る写真がとても印象的で、そんな姿をぜひ見てもらいたいと思いました。瞬間、瞬間の表情がよくわかる写真を選んでいます」。来場した関係者へのPRはもちろん、写真を見て「あ、俺が写っている」という声もあり、現場のモチベーションアップにもつながっているようだ。
また事務所には休憩スペースの脇に無人コンビニを設置し、ちょっとしたお菓子やアイスが電子決済で買えて人気となっている。夏場はアイスの種類を増やすといった細かな心遣いがなんとも嬉しい。新しい休憩所ができれば、ベンダーに連絡して自販機を設置。「細かな業務に追われる日々ですが、少しでも快適な環境をつくってあげたい」と髙𣘺。ちょっとした気遣いが、所員の働きやすさにつながっている。

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04 まとめ

活気ある職場の雰囲気をつくる

4月には上棟式が執り行われた。事務グループは当日の進行プログラムの企画・調整に携わった。「ここで働く人の記憶に残る上棟式にしたい」という所長の想いを受け、記念Tシャツを作成し、参列者や建設所の関係者に配付。A街区タワーに取り付ける最後の鉄骨梁に関係者が記名するイベントも、入念に準備を重ねた。式典終了後には社内関係者約300名が参加する大規模な見学会を開催した。「これだけ大がかりな見学会は初めてだったので多くの不安がありましたが、 A街区の所員が中心となって本社の関係各部署と連携し、会場の設営から来場者のアテンド、翌日から通常業務に戻るための後片付けに至るまで対応しました。お越しいただいた皆さんに喜んでいただき、達成感がありました」と太田。

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上棟式リハーサルの様子

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見学会の様子

「現場に配属された当初は目の前のことに精一杯だった」と田中。しかし「広い視野を持って現状を改善しようとする工事長をはじめ、各分野のプロの仕事に対する姿勢を日々間近で見て学ぶことができたのは何よりです。それが刺激になり、私には何ができるかを考え、見えない所員のニーズをくみ取るように努めました。所員のモチベーションアップに繋がるように、写真の掲示や、事務所内の安全を考慮して曲がり廊下に衝突防止ミラーの設置など、いろいろな提案させていただきました」。そんな田中と髙𣘺は現場を離れ、新たな部署での業務が始まっている。
「現場の人がどんなことに苦労して困っているのかを知れたことは大きかった。次の配属先でも社内環境の改善に活かしていきたい」と髙𣘺。「働きやすい環境を作るために、IT活用はもちろん大切ですが、これだけの人数がいるからこそ直接お声がけすることもすごく大事だなと思っています。そういった気持ちを大事にしながらこれからも仕事していきたいです」。
インタビュー中、冗談を交えながらとても楽しそうに話す3人の姿が印象的だ。「危険と隣り合わせの現場は緊張感がある分、事務所は少しでも心が和らぐ場所にしたい。お互い声をかけ合って楽しく仕事が進めればそれに越したことはありません。そんな雰囲気づくりを事務グループからも積極的に発信できればいいなと思っています」と太田。この大規模現場が士気を高く保っていられる理由は、縁の下の力持ちである事務グループの日々の所内整備と、ちょっとした心遣いの積み重ねがあるからかもしれない。

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Profile

太田 一徹

虎ノ門・麻布台プロジェクト A街区

入社年:2016年

主な業務:総務・人事全般

Profile

髙𣘺 淳

虎ノ門・麻布台プロジェクト A街区

入社年:2021年

主な業務:人事・安全・見学会

Profile

田中 莉乃

虎ノ門・麻布台プロジェクト A街区

入社年:2021年

主な業務:人事・経理・事務所整備