- 1912(明治45)年に完成したJR山陰本線・旧余部橋りょうは、橋長310m、高さ41mの鋼製トレッスル橋で、鉄骨をやぐら状に組み上げた橋脚を有する同形式の橋梁としては日本一の規模を誇り、「近代土木遺産」として高い評価を受けていました。
しかし、約1世紀にわたり当地の厳しい風雪に耐えてきた橋梁も「安全輸送の確保」「現実的な維持管理」の観点から、2002年にコンクリート橋への架け替えが決定され、2007年から当社JVが工事を進め、2011年3月に竣工しました。
- 新橋は、東側部分で既設のトンネルに接続させなければならず、接続部は旧橋の軌道と重なるため一定期間の列車運休が必要でしたが、運休期間を短縮するため、トンネル接続部の橋桁を旧橋に隣接して製作し、旧橋の東端部を撤去した後に所定の位置に移動させる計画としました。長さ約90m、重量約3,800トンのS字状の橋桁を北側に4m水平移動させた後、中央付近を軸にして反時計回りに5.2度旋回させる前例のない工法を採用しました。
- 今回の「the現場」では、2010年7月20日に行われた水平移動工事、7月23日に行われた旋回工事を中心に、7月16日(旧橋最終列車)から8月12日(新橋初列車)までの現場の姿をご紹介します。
記録映像「余部橋りょう さらなる100年へ」(ダイジェスト版)