NOVARE LETTER

持続可能で
豊かな社会の
実現を目指して後編〉

NOVAREで具現化した技術のご紹介

ロボットやAIを活用し、
環境に調和した新しい建設を。

NOVARE LETTERでは、NOVAREという“場”を中心に、人の想いや挑戦を発信してきました。
今回は前回の記事に引き続き、NOVAREですでに具現化されている技術をご紹介いたします。
それらは研究段階のアイデアではありません。これからの社会課題を見据え、将来のお客様のニーズを先取りし、枠にとらわれず挑戦し続けてきた“実装への一歩”です。
「持続可能で豊かな社会」を本気で実現するために。NOVAREが挑み続ける現在地をご覧ください。

ロボットやAIを活用し、環境に調和した新しい建設を。

TOPIC-4

ロボットが建物の一部となり、
新たなサービスを実現

建物OS「DX-Core」を中心に、ロボットと建物が連携

建物は、完成した瞬間がゴールではありません。むしろ、そこからが本当の価値創造の始まりです。

NOVAREの設備を支える基盤となっているのが、清水建設が開発した建物OS「DX-Core」です。
DX-Coreは、建物とデジタルを融合させることで設備機器同士の連携を容易にし、新しいサービスを生み出す次世代の建物デジタルプラットフォームです。

ビル内の設備アプリケーションと連携し、スマートフォンのように機能をアップデートすることで、

  • ビルの付加価値向上
  • ビル運用管理の生産性向上

を実現します。

ロボットが建物の目となり、手となる

NOVAREでは、この DX-Core を中心に、さまざまなロボットが建物と連携しています。
DX-Coreは館内ロボットと会話をし、自動ドアの開錠やエレベータの呼び出しなどを制御。
ロボットが施設に入る際には、建物と連携してフラッパーゲートを開くなどの対応も行います。

ロボットは施設内を自動で移動しながら巡回し、内蔵されたセンサーやカメラを使って施設のデータをリアルタイムで収集・分析します。
こうしてロボットが建物の「目」と「手」となることで、建物とロボットが一体となった新しい建設の可能性が生まれています。

複数施設を行き来する警備ロボット複数施設を行き来する警備ロボット

事務所に荷物を届ける配送ロボット事務所に荷物を届ける配送ロボット

扉を開閉するおそうじロボット扉を開閉するおそうじロボット

TOPIC-5

都市環境を考慮した
コンピュテーショナルデザイン

環境がつくりだすカタチに呼応する「コモレビ木ルーバー」

NOVARE Academyの木ルーバーの形状は、室内のどの位置でも季節を通じて同じ日射・環境条件となるよう計算されています。これにより、木漏れ日のような柔らかな日差しを室内に生み出します。
さらに街路樹や周囲の建物など外部環境の要素も考慮することで、建物単体ではなく都市環境全体を踏まえた無駄のない設計を目指しています。

これまで屋外ルーバーは、外部環境との関係性を十分に考慮せず設置されるケースも少なくありませんでした。しかし建物は、屋内だけでなく屋外ともつながっています。デジタルツールを活用して建物内外の性能を計算できることは、社会全体でエネルギー消費を抑える ZES(ネット・ゼロ・エネルギー・ソサエティ)の理念にもつながると考えています。

有明体操競技場の木造ベンチを再利用

木ルーバーに使用されている木材は有明体操競技場でベンチとして使用されていたものです。木材の再利用にあたっては、20種類の異なる保護塗装を塗り分け、耐候性の違いを確認しています。
コモレビ木ルーバーはこれで「完成」ではなく、現在も外部暴露の経過を観察中です。木材の外部活用の可能性を広げるべく、挑戦が続いています。

NOVARE AcademyNOVARE Academy

実現に向けた 3STEP

●STEP1.内外の環境に呼応

まず外部環境への対応として、夏季の日射量によるマッピングを行いました。日射量の多い部分を遮るため、木ルーバーのピッチを狭め、横から見たときの回転角度にも変化を与え調整しています。

次に内部環境に対応するため、眺望によるマッピングを実施しました。
「前面の建物は見せない、しかし街路樹や空は見えるようにしたい」といった視点で、建物内部に50の評価ポイントを設定。それぞれの視点から眺望を評価しました。
これらの結果をもとに、各位置に最適なルーバー角度を導き出しています。

●STEP1.内外の環境に呼応

●STEP2.自然な「ゆらぎ」を加える

ルーバーに自然な印象を与えるため、さらに「ゆらぎ」を加えました。
操作したのは、ルーバーの水平回転角度と配置角度です。さまざまなパターンでゆらぎを与え、内側から見たときに木漏れ日を感じられるよう調整しました。
そして重視したのは、外から見たときの「ばらつき」と「均一」のバランスです。どの場所でも同じように見えながら、完全に均一ではない。その状態こそが、自然なバランスだと考えました。

●STEP2.自然な「ゆらぎ」を加える

●STEP3.シミュレーションによる最適化

周囲の都市環境(建物・植栽)を考慮したシミュレーションの数は、合計600案ほど。
眺望平均は大きく(なるべく外が見えるように)、眺望標準偏差はばらつきを少なく(どこからみても同じくらい外が見えるように)、日射負荷は少なく(環境性能が向上するように)なるようにしました。
結果、これらをバランス良く設定した5案に絞り込み、性能が高く、もっともルーバー数が少ない案に決定しました。

●STEP3.シミュレーションによる最適化眺望と周囲の都市環境を考慮したシミュレーション結果

外部環境とつながりを持つ建物を目指して

木ルーバーファサードは、再生可能資源である木材を活用した外装技術です。
意匠性と環境性能を両立し、CO₂を固定化する木材の特性を活かすことで、建物全体の環境負荷を抑える設計が可能になります。

木材の持つ柔らかな質感や温もりは、人の心に働きかける力を持っています。
環境性能は数字だけでは測れません。人にやさしく、街に溶け込み、時を経ても価値を失わない建築。
その実現に向けた挑戦が続いています。

TOPIC-6

大切なカタチをAIで
建物のファサードに活かす

二代清水喜助の手彫り跡を再現した、アルミキャストファサード

旧渋沢邸内の表座敷に現存する「手彫りの床柱」は、二代清水喜助が手がけたと伝わっています。
NOVAREでは、この手仕事を独自のAI技術で再現し、NOVARE Archivesのアルミキャストのファサードに採用しました。

NOVARE ArchivesNOVARE Archives

再現された外壁パネル再現された外壁パネル

旧渋沢邸2階客間旧渋沢邸2階客間

床柱床柱

渋沢栄一と清水喜助の想いを未来へ

二代清水喜助が手掛けた建築で唯一現存するのが、NOVARE中央に位置する旧渋沢邸の表座敷です。
その邸内に現存するのが、⼆代清⽔喜助が絞りの銘⽊のように⼿彫りしたとされる床柱です。渋沢栄一の「華美なものはいらない」という言葉を受けて、二代清水喜助が材料を高級なものに見せる工夫を凝らしたと伝えられています。
このエピソードに感銘を受けた私たちは、当社の社是となっている「論語と算盤」に通ずるところがあると感じ、NOVAREを通して後世に伝えていきたいと考えました。

実物を3Dスキャンし、アルゴリズムでパネル化

外壁に床柱のパターンを活用するにあたってはさまざまな課題がありました。
外壁は広大な面積を持つため、単純に転写すると解像度の低いモザイク状になってしまいます。また同じパターンを繰り返すだけでは、建築意匠として成立しません。
そこで、床柱を3Dスキャンし、デジタルデータとして分析しました。
そのデータをもとにアルゴリズムを開発し、床柱の表情を保ちながらパネル状に展開しています。

3Dスキャンしたデータを平面のパネル状に展開するアルゴリズムを独自に開発3Dスキャンしたデータを平面のパネル状に展開するアルゴリズムを独自に開発

小さな凹凸(のみの跡)まで再現

3Dスキャンでは読み取れない鑿(のみ)の跡などの微細な凹凸も、パラメトリックスタディ(パラメータ値を変化させながら解析)によって再現しました。
さらに社内の3Dプリンターで11回のモックアップを作成し、光の当たり方や陰影を確認しながら調整を重ねました。

小さな凹凸(鑿の跡)まで再現

リアルタイムレンダリングやVRを用いて確認

今回のプロジェクトでは、デザイン確認もデジタルで完遂しました。デジタルモックアップを20回ほど作成し、VRを使って日時や光の角度を変えながら、環境により外壁がどのような表情を見せるのかを確認していきました。

この外壁パネルは、パネル同士が隣り合ったところでもパターンが連続するように考えられています。
型の数をできるだけ抑え、模様が連続していくようにデジタルデザインで処理。版間目地も極限まで細くすることで、模様が連続し、一つの大きなマスに見える外観としました。

VRを用いたデジタルモックアップの確認VRを用いたデジタルモックアップの確認

建物の記憶を未来へ

「現代に二代清水喜助が生きていたらどのように彫ったか」をイメージし、作成した外壁パターン。
さまざまな技術を駆使して実現したアルミファザードは、まさに清水建設のDNAを継承する外壁となりました。

建物への想いや記憶をデジタル技術によって形に刻み込む。
機能性と芸術性を同時に追求する姿勢が、建設の未来を豊かにしていきます。

日の角度によって表情を変えるパネル、VR同様に実物も模様の継ぎ目が見えない日の角度によって表情を変えるパネル、VR同様に実物も模様の継ぎ目が見えない

TO THE FUTURE

未来を共につくるために。
共創の場としてのNOVARE

NOVAREは、技術を展示する場所ではありません。
未来を実験し、社会課題に挑み、建設の可能性を押し広げる“実証の場”です。
持続可能で豊かな社会の実現は、理念だけでは成し遂げられません。
原理を探究し、技術を磨き、社会へと実装し続ける不断の挑戦があってこそ、未来は形になります。

しかし、社会課題は一企業だけで解決できるほど単純ではありません。
だからこそNOVAREは、企業や業界の垣根を越え、想いと技術を持ち寄る「共創」の場として息づいていきたいと考えています。
未来を共につくるパートナーの皆さまと、次の挑戦をご一緒できることを願っています。
NOVAREの取り組みに関心をお持ちの企業・団体の皆さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

未来を共につくるために。共創の場としてのNOVARE

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