NOVARE LETTER

新たな価値へ循環する
社会を目指して

WHY(なぜ、取り組むのか)

限りある資源を
有効活用するために。

大量に生産し、大量に消費し、役目を終えたら廃棄する——。
そんな従来の価値観では、もはや未来を守ることはできません。
限りある資源をどう守り、どう循環させていくのか。
効率ではなく、本質を。短期的な成果ではなく、長い時間軸で永く価値をもたらす建築を。
私たちの取り組みは、地球から受け取った資源に誠実であろうとする姿勢そのものです。
NOVAREが生み出す価値の根幹には、常にその問いが存在しています。
資源を未来につなぐ挑戦は、私たちの“今日の一歩”から始まります。

限りある資源を有効活用するために。

HOW(どうやって、実現するのか)

木材をはじめとする資源の循環と利用促進に貢献する。

新たな価値へ循環する社会を目指して※サイモン・シネックが提唱した「ゴールデンサークル理論」。
一般的な考え方では「What」や「How」という商品・サービスのスペックなどが重視され「Why」が説明されないことが多いが、
「Why」を語ることで共感を生み、行動変容を促す

NOVAREでは、天井や床へ積極的に木材を利用しています。
再生可能資源である木材は、成長過程でCO₂を吸収・固定し、鉄やコンクリートに比べて製造時のCO₂排出量も少なく、建築全体の環境負荷を大幅に減らすことができます。未来を見据えた建築にとって、木材は“循環型社会の鍵”と言える存在なのです。

また、NOVARE Hubエントランスの天井には「広葉樹」を利用しています。通常、木造建築にはまっすぐ成長し木材加工しやすい「針葉樹」が使われることが多く、広葉樹は家具や薪などに使われるのが慣例でした。しかし、広葉樹には「火が着きにくい」という防火的メリットがあり、加工技術の発展がめざましい現代において「広葉樹」の可能性は今後広がっていくことでしょう。

このようにNOVAREでは、これまでの建設の枠にとどまらない様々な手段により、多様な価値を探求しています。社会や顧客の本質的なニーズは何か。考え続けることで、社会とともに成長を続けていきます。

木材をはじめとする資源の循環と利用促進に貢献する。

WHAT-1(何をするのか)

耐火建築物での木質利用の推進

これまでの耐火建築物といえば、鉄骨やコンクリートが主流でした。「木材=燃える」という印象が強く、法規制や構造上の理由から、大規模建築で木を使うことには制約が多かったのです。そのため、木材は主に小規模建築や内装の一部に限定して使われてきました。
しかし近年、建築技術・評価基準・加工技術の進化によって、木材を耐火建築物に積極的に取り入れる道が開かれつつあります。

木質ハイブリッド屋根架構

「木質ハイブリッド屋根架構」は、鉄骨造の屋根を下から支えるように木梁を組み合わせたもので、耐火建築物にも適用できる木質構造です。木梁を使用することで鉄骨造の鋼材量を最小化でき、これによりCO₂削減が実現できます。
またもう一つのメリットは、火災の際に木材が焼失して屋根が変形しても、自重に耐えられる構造であること。「木質ハイブリッド屋根架構」であれば、高価な耐火木材を使用しなくても、木質化による環境負荷低減と火災安全性を両立できます。

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木質ハイブリッド屋根架構の構造木質ハイブリッド屋根架構の構造

火災時の架構の状況火災時の架構の状況

Hub 3Fの天井Hub 3Fの天井

強固な金輪継手を大規模建築に

NOVARE Hubの天井に連なる93本の屋根架構は、「旧渋沢邸」でも使われている日本古来の伝統工法「金輪継手」で組み立てています。これは木材を固定する手法としてはもっとも強固な技術です。
伝統的な手仕事によって現代に遺る金輪継手。しかし、NOVAREの大規模建築で使用するためには、現代の技術で再構築する必要がありました。

大きな金輪継手の複雑な三次曲面を実現するため、木加工に使用したのがアーム式の多軸加工ロボットです。単一の軸しか持たない従来型とは異なり、三次元のさまざまな加工に対応する最新鋭のロボットであり、複雑かつ複数パターンの形状を多量に加工することが可能になります。
伝統技術と最新技術を融合した“新”金輪継手は、「温故創新」を象徴する技術として可能性を広げていきます。

上図の青い部分が「あわせ金輪継手」、赤い部分が「回転金輪継手」の特徴上図の青い部分が「あわせ金輪継手」、赤い部分が「回転金輪継手」の特徴

ロボット加工機による回転金輪継手製作(25秒)

木加工ロボット1号機。最大加工範囲は、高さ600 mm×奥行900 mm×長さ3000 mmにもなる

WHAT-2(何をするのか)

廃材が持つ特徴を生かし、
新たな用途の製品へ

アップサイクル・リメイク家具

「アップサイクル」とは、本来なら捨ててしまうはずのものに新しい価値を与えて、より良い製品として生まれ変わらせること。限りある資源を有効活用するアップサイクルの推進は、循環型社会の実現に不可欠です。
設計において、アップサイクルをデザインに昇華することは簡単ではありません。しかしNOVAREでは、建物の内外装や什器、外構などにアップサイクルを積極的に組み込んでいます。

NOVARE Hubの床材、そしてNOVARE Academyの外壁木ルーバーに使われているのは、有明体操競技場で役目を終えたベンチ材です。Discover Salonに設置したオリジナルのソファやテーブルなども、廃棄される資源を再利用しています。
このように、あえて「人に身近な部分」にアップサイクル材を活用することで、アップサイクルへの意識向上を図っています。

そして、アップサイクルの活動は「作って終わり」ではありません。竣工後も、建築廃材である木製杭をサインデザインに利用したり、外構の植栽の枝や木の実などを使ったリースづくりを実施したりと、継続的に活動しています。今後も利用者と対話しながら、発見と共創を続けていきます。

Hub 床材Hub 床材

Academy 木ルーバーAcademy 木ルーバー

Hub アップサイクル家具Hub アップサイクル家具

Hub リメイク家具Hub リメイク家具

Discover Salonのソファやテーブル、ランプシェードなどもアップサイクル材を活用Discover Salonのソファやテーブル、ランプシェードなどもアップサイクル材を活用

WHAT-3(何をするのか)

天候予測に基づいた
潅水の最適化

天候予測型 雨水循環自動潅水システム

資源循環型社会の実現において、「水資源の有効活用」も重要なテーマの一つです。
NOVAREでは、天候予測型 雨水循環自動潅水システムを導入、庭園内の植物への潅水時間・量を効率的に制御しています。

これまでの自動潅水はタイマースケジュールで制御するため、自然降雨とは無関係に水を使用していました。十分な降雨があったとしても、潅水量は変わらなかったのです。
しかしNOVAREでは、天候予測情報を基に潅水スケジュールを最適化。十分な降雨が予測された場合には潅水量を制限します。雨水利用槽の残量予測に応じて給水することで、雨水の利用効率を最大化することができます。

また庭園内に設置した水景設備には雨水を溜め、塩素を使わずに消毒・循環することで、生態系の保護や文化財を守る防火設備に役立てています。

天候予測に基づいた潅水の最適化

TO THE FUTURE

新たな価値を生み出すために

高度経済成長期を経て、スクラップアンドビルドが主流だった建設業界はさまざまな問題を抱えています。
すべてを一気に変えることは難しくとも、“今”私たちにできることは無数に存在しており、その一歩一歩が未来を変える力になります。

木材、雨水、廃材、貝殻のような未利用資源まで。
以前は廃棄されていた資源でも、適切に活用することで付加価値を与えていくことができるはずです。
私たちが目指すのは、「使い終わる」で終わらず、「次の価値へ循環していく社会」。
NOVAREはこれからも新たな循環のかたちを提示していきます。

新たな価値を生み出すために

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