大熊町産業交流施設「CREVA おおくま」
大熊町産業交流施設(愛称:CREVAおおくま)は、大野駅西地区の復興を牽引する拠点として設立された。地元産業の復興や地域で求められるオフィス需要の受け皿となり、長期にわたって新たな産業を創出することを目的としている。施設は地元住民、働く人、来訪者が集う場として木材を積極的に採用して居心地のよい「町のリビング」を目指し、かつて林業が盛んだった町の歴史を継承する役割も担っている。
| 所在地 | 福島県大熊町 |
|---|---|
| 竣工年 | 2024年 |
| 建築主 | 大熊町 |
| 主用途 | 事務所・展示場 |
| 階数 | 地上3階 |
| 主構造/耐火性能 | S造一部耐火木工梁/耐火構造 |
| 延床面積 | 10,300m2 |
| 木材使用量/CO2固定量 | 316m3/286t-CO2 |
| 「シミズ ハイウッド」 木質ハイブリッド技術 |
・ハイウッドビーム |
| 設計・管理 | 清水建設・関・空間設計 特定建設工事共同企業体 |
温もりを感じる木材を積極活用し、人々が集う場を創出
建物の内外にわたり誰でも利用できる豊かなスペースを各階に設け、吹き抜けや階段など主要動線を囲む形で共用空間を中央に配置、利用者同士の交流が自然に生まれる場を目指している。共用空間には木質耐火部材「ハイウッドビーム」を採用し、エントランスホールと縁側テラスが一体となった多目的で開放的な木質空間を実現している。
地域産木材を用いた無柱空間を実現する構造計画
福島県産カラマツ材を木質構造に採用し、設計段階から木材を安定調達できる事業者を選定して連携体制を構築した。連携先の木材事業者や施工者と早期に加工方法や数量を共有することで、外壁や軒天を含む大部分の仕上材を国産材で調達することが可能となった。
ハイブリッドがつくりだす美しい風景
木と鉄を組み合わせた構法により、まちの豊かな自然や発展の眺めを楽しめるテラスで幅25mのパノラマビューを実現した。夜間は軒天や外壁、バルコニーのカウンターテーブルなどを暖色系の光で照らし、駅前の街区や道路を含めた統一的な照明計画を採用している。
防耐火・劣化対策および維持管理・更新の容易性を確保
屋根を支持する木と鉄のハイブリッド架構では、火災時に集成材の熱が鉄骨束柱へ伝わるのを抑えるため、耐火塗装で被覆した束柱内部にモルタルを充填している。外部の木材部分はシリコン系高耐候塗装を採用し、紫外線や風雨の影響を軽減、すべてバルコニーに面する配置とすることで、将来の更新作業を容易にしてる。
木材利用による地球温暖化防止への貢献
外周に奥行きの深い杉板張りの軒を設けて日射を遮蔽するなどの省エネ対策と、屋上の太陽光発電による創エネを組み合わせることで、建物の一次エネルギー消費量を78%削減している。BELS認証(Nearly ZEB)を取得し、大熊町の復興・再生とゼロカーボンを先導する産業交流施設を目指している。
第29回木材活用コンクール(2025)/部門賞 令和7年度木材利用推進コンクール(2025)/国土交通大臣賞 第46回東北建築賞(2025) 日本空間デザイン賞2025
