木の可能性を探る

木の可能性を探る Vol.63 第31回技能グランプリ「家具」職種 金賞・厚生労働大臣賞を受賞

2021年4月1日

Vol.69  第31回技能グランプリ「家具」職種 金賞・厚生労働大臣賞を受賞

2021年2月19日~2月22日に開催された「第31回技能グランプリ」において、東京木工場 製作グループの北川 祐也さんが家具部門において、「金賞」ならびに「厚生労働大臣賞」を受賞しました。

今大会は、全28部門、計344名が参加。年齢を問わず、熟練技能者である特級、一級及び単一等級技能士であることが参加条件になっており、全国から腕を認められた選手が出場しています。

家具部門の競技時間は2日間にわたり、合計11時間30分の制限時間の中で行われました。課題は、開き戸と引き出しの付いたキャビネットの製作です。新型コロナウイルス感染防止拡大の観点から、無観客の中で行われ、作品の出来栄えや精度だけでなく、製作中の姿勢も採点の基準となりました。

北川さんは、2010年に開催された第48回技能五輪でも金賞を受賞しており、両競技の制覇は東京木工場初の快挙となります。

北川さん
仕口(しくち)加工の様子
仕口(しくち)加工の様子
北川さんの作品
北川さんの作品

前大会の悔しさをバネに

清水建設 東京木工場 製作グループ
北川 祐也

清水建設 東京木工場 製作グループ 北川 祐也

2019年に開催された前大会では銀賞でした。その悔しさと経験を糧に、年明け頃から本格的な練習を始め、本番に挑みました。今大会では順位を落とせないというプレッシャーを感じていましたが、競技本番では、思いのほか冷静に取り組むことができました。

そして、制限時間前に課題が完成。練習を含めても一番の出来栄えとなり、自信を持って提出しました。優勝者として自分の名前が発表された時は、苦労が報われたと思いました。

今回の経験を日常業務に活かし、東京木工場の「技術の伝承」と「木新技術の開発」に貢献していきたいと思います。

技能グランプリ(家具部門)

技能グランプリは、30近い職種に分かれてそれぞれ専門の技を競う大会です。

競技課題は、課題図、設備基準などともに事前にWeb上で公表され、参加者はそれらを熟読して競技に挑みます。
大会当日に持参する工具の種類や数にもあらかじめ制限が設けられています。加工のための機械は会場に用意されますが、全選手が交代で使用するため、どの部位から手掛け、どのような手法で製作するかも作業工程に大きく関わるとともに、競技のポイントにもなります。

第31回技能グランプリ、大会中の会場風景。全国から選抜された、344人が参加しました。