木の可能性を探る

木の可能性を探る Vol.59 プロジェクト紹介(3)根津美術館
(©藤塚光政)

2017年2月23日

Vol.59  プロジェクト紹介(3)根津美術館

竹素材の繊細な美しさが東洋的な雰囲気を漂わす

根津美術館は、2009年10月、隈研吾氏の設計によってリニューアルオープンした。敷地のなかに入ると、建物の壁一面を覆う竹の壁に迎えられる。使われているのは約680本の国内産のさらし竹だ。これは東京木工場の担当者が自らの足で竹を探し、品質もその目で直接確かめて採用したものである。1階展示室の天井は、竹の単板の練付でできている。高品質かつ長さが統一された単板を用い、端部、目地ともに一直線に揃えて施工することで、お客様と設計者が求める精緻な仕上がりを実現した。

美術館の壁一面を覆う竹の壁。反対側の孟宗竹の植栽と相まって、和の雰囲気が際立つ(©藤塚光政)
美術館の壁一面を覆う竹の壁。反対側の孟宗竹の植栽と相まって、和の雰囲気が際立つ(©藤塚光政)
竹の練付でできたホール天井。落ち着いた印象は、有数の日本・東洋の古美術コレクションを誇る美術館にふさわしい(©藤塚光政)
竹の練付でできたホール天井。落ち着いた印象は、有数の日本・東洋の古美術コレクションを誇る美術館にふさわしい(©藤塚光政)

根津美術館

概要

  • 所在地:東京都港区南青山6-5-1
  • 竣工:2009年2月
  • 東京木工場のおもな施工箇所:エントランス、天井ほか