木の可能性を探る

木の可能性を探る Vol.55 東京木工場 お客様の声(1)第五期歌舞伎座
協力:松竹株式会社・株式会社歌舞伎座(撮影:吉川忠久)

2017年1月30日

Vol.55  東京木工場 お客様の声(1)第五期歌舞伎座

歴史ある建物に息づく木の存在感。それは先人からのかけがえのない贈り物。東京木工場はそんな木の力を信じて、お客様の未来を紡いでいきます。今回は、松竹株式会社の佐藤様からお話を伺いました。

「復元」ではなく「時間の継承」。
だから知恵と技を駆使していただいた

松竹株式会社 顧問 不動産部担当 佐藤廣和様

松竹株式会社 顧問 不動産部担当 佐藤廣和様
撮影:依田佳子

1つの山から切り出した檜舞台の床材

歌舞伎は、2008(平成20)年に世界無形文化遺産に登録された日本の伝統文化。その専門劇場である歌舞伎座の建て替えは、ただ形状を復元するだけでは意味がありません。建物はもちろん、そのなかで紡がれてきた「時間をも継承する」ものでなければいけない。

第四期歌舞伎座(撮影:吉川忠久)
第四期歌舞伎座(撮影:吉川忠久)

木は再生、再利用ができます。ですから、長い年月、歌舞伎座の一部として人々のそばで生き続けてきた木材は、できるだけ次の世代につなげていきたいと、東京木工場さんにお願いしました。

実際、木に対する知識や技術には感服しました。残せる木材と残せない木材の選別は、緻密で正確。驚いたのは、檜舞台の床の色気にばらつきが出ないように、一つの山からすべてのヒノキ材を切り出すという難題に挑戦してくれたことです。

神奈川県北西部に広がる丹沢山地から木を切り出し、手間暇のかかる作業をやり抜いていただいた。おかげで、色といいやわらかさといい、申し分のない檜舞台となりました。木材の調達から製作、施工までを一貫して担当する、東京木工場さんだからこそできたことだと思います。新たな歌舞伎座は、お客様にも役者さんにも、満足していただけていると思います。

舞台と花道には約1,600枚のヒノキの床板が張られている。(撮影:吉川忠久)
舞台と花道には約1,600枚のヒノキの床板が張られている。(撮影:吉川忠久)
木材の収縮の誤差が出ないようにヒノキを山に一冬置いて水分を抜き、製材所で仕上げられた。(撮影:吉川忠久)
木材の収縮の誤差が出ないようにヒノキを山に一冬置いて水分を抜き、製材所で仕上げられた。(撮影:吉川忠久)

第五期歌舞伎座

第五期歌舞伎座
撮影:吉川忠久

概要

  • 所在地:東京都中央区銀座4-12-15
  • 竣工:2013年2月
  • 東京木工場のおもな施工箇所:檜舞台、花道、施設の内装、装飾ほか