木の可能性を探る

木の可能性を探る Vol.54 東京木工場 研鑽の130年(3)匠の技と若き力

2016年12月14日

Vol.54  東京木工場 研鑽の130年(3)匠の技と若き力

130年の伝統を継承し、未来へつなぐ。

東京木工場は、第五期歌舞伎座(2013年竣工)や、読売新聞ビル(2013年竣工)においても、お客様の期待に応えるべく木工事の設計段階から製作・施工までを一貫して手掛けた。その原動力となったのは、木工事一筋の社員の匠の技と経験、そしてそれを受け継ぐ若い社員たちの力だ。

日々の業務で技術を磨くだけでなく、社外の競技大会「技能グランプリ」や「技能五輪」にも積極的に出場して好成績を残すなど、東京木工場は若手の育成に力を入れている。さらに、「木のある生活スタイル」をコンセプトにした木工製品「kino style」の製作や社内外で行う木工教室など、木の魅力を発信する取り組みに、若手社員が積極的に参加している。

国立音楽大学。内装木工事を担当(2011年竣工)
国立音楽大学。内装木工事を担当(2011年竣工)
明治大学和泉キャンパス 和泉図書館。天井などを担当(2012年竣工)
明治大学和泉キャンパス 和泉図書館。天井などを担当(2012年竣工)
伊勢神宮 外宮神楽殿。御殿内を担当(2000年竣工)
伊勢神宮 外宮神楽殿。御殿内を担当(2000年竣工)
首里城正殿。丸柱他(台湾桧納材)を担当(1992年竣工)
首里城正殿。丸柱他(台湾桧納材)を担当(1992年竣工)

社員一人ひとりがお客様の声に向き合う

時代が平成へと移り、木材以外の多様な材料の開発が進んだこと、また2000年の建築基準法の改正で耐火基準が高められたことなどによって、木工事の需要は減少傾向にあった。

しかし、近年では、ライフスタイルの多様化、自然志向の見直しなどにより、自然を身近に感じられる「木」に注目が集まっている。特別な場所だからこそ木を使いたい。そんな声が多く聞かれるようにもなった。

130年の伝統を継承してきた東京木工場の社員一人ひとりが、その技とこころを未来へつなぐべく、日々研鑽に勤しみ、お客様の声に向き合っている。