木の可能性を探る

木の可能性を探る Vol.53 東京木工場 研鑽の130年(2)戦後復興への貢献

2016年12月2日

Vol.53  東京木工場 研鑽の130年(2)戦後復興への貢献

戦後の復興に貢献し、高度成長とともに、東京木工場の役割も大きくなる。

開設から25年を経た1909(明治42)年、製材機や建具機械を導入、深川工作場と称した。時代が明治から大正へと移るなか、深川工作場は導入した機械を活用することで、ホテル、銀行などの家具や建具をすばやく正確に製作できるようになった。また1923(大正12)年の関東大震災の際には、木材の集積所として帝都復興に貢献した。

終戦の年となった1945(昭和20)年、工作場も戦災で全焼したが、直ちに復旧、戦後復興のさまざまな建設需要に応えた。その後、長尺ホットプレス機や高周波加熱接着装置などの木工機械を導入し、木工製品の品質向上と生産力の増大を図った。1962(昭和37)年には、需要が拡大した木工事に対応するため、新たな工場棟(第四工場)を増設。あわせて「東京木工場」と改称し、一段と飛躍する。

シミズ高級化粧不燃板の加工
シミズ高級化粧不燃板の加工
「乾燥室第二号」が完成した頃
「乾燥室第二号」が完成した頃

創業者のものづくりのこころを今に

1969(昭和44)年には、不燃材の表面に単板を貼り、天然木の木目を活かした「シミズ高級化粧不燃板」を開発、建設大臣の認定を取得した。

また、1996(平成8)年には、財団法人建材試験センターよりISO9001の認証も取得している。このように東京木工場は、常に技術革新と品質向上に挑戦しながら、時代の要求するさまざまなニーズに応えてきた。

木材に微妙な凹型や曲面をつけるための刃。仕上がりや作業効率などに考慮して、社員たち自らが刃を製作する
木材に微妙な凹型や曲面をつけるための刃。仕上がりや作業効率などに考慮して、社員たち自らが刃を製作する