木の可能性を探る

木の可能性を探る Vol.4 第26回技能グランプリ・家具部門で優勝、厚生労働大臣賞を受賞

2011年6月20日

Vol.4  第26回技能グランプリ・家具部門で優勝、厚生労働大臣賞を受賞

2011年3月5日から6日にわたり、熟練技能者が技能の日本一を競い合う第26回技能グランプリが、幕張メッセで開催され、その家具部門で、清水建設 東京木工場の池之上拓也(入社10年目、2011年6月現在)が優勝し、厚生労働大臣賞を受賞しました。

家具部門では競技標準時間は11時間半、開始から12時間で製作打ち切り。出場者は課題図をもとに、持参した工具や会場に設置されている機械で支給された材料を加工し、定められた仕様に沿った家具づくりの技術を競い合いました。

清水建設 東京木工場では、これまでに技能グランプリに6大会出場し、3名が優勝。今回の優勝は3大会ぶり4度目となります。

二度目の挑戦、成長を強く実感した大会に

清水建設 東京木工場 製作グループ  池之上  拓也

家具づくりの技術を磨くこと、それが入社時からの目標でしたので、今回の優勝はとても誇らしく、今後に向けて大きな自信となりました。

今大会が二度目の出場で、2年前の前大会では緊張で思うような製作ができず、結果は選外。精神的にも技術的にも、自分がまだ未熟であることを思い知らされました。悔しい思いをした分、その後は今大会への再挑戦を目指し、日々の業務に邁進。一つの工程を1人で担当するなど、責任の多い業務も経験しました。また、今回の課題図が発表されて以降は、技能グランプリで優勝、入賞経験のある先輩から、製作の段取りや要求される仕上がりの精度などについて、直接指導を受けながら課題作品を試作するなど、本番さながらの練習を重ねました。

大会当日、会場内に入っても、自信を持って落ち着いている自分に気づき、この2年間の成長を強く実感。競技開始後も、製作の手順や時間配分などがすぐに頭に浮かび、他の出場者と共同で使う機械の順番を待つ間にも別の作業を効率よく進めたり、仕上げの細部にまで注意が行き届いたりと、持てる力をすべて出しきることができました。

技能グランプリの優勝者は、同じ競技職種では以後の大会に参加できない決まりがあります。ですから今後は、指導する側として2大会分の経験を次の大会に出場する後輩に伝え、再び優勝をねらえるよう取り組んでいきたいと思います。と同時に、自分自身も先輩からさらに学び、伝統的な木工技術の伝承に努めていきます。

細部まで丁寧に仕上げることができました
細部まで丁寧に仕上げることができました
清水建設 東京木工場 製作グループ 池之上 拓也さん
技能グランプリ

技能グランプリとは?

熟練技能者が技能の日本一を競い合う全国規模の大会。開催は、中央職業能力開発協会と社団法人全国技能士会連合会による共催。優勝者には、内閣総理大臣賞、厚生労働大臣賞などが贈られる。

出場する選手は、年齢に関係なく、当該職種について、特級、1級及び単一等級の技能検定(厚生労働省が定めた実施計画に基づく国家検定制度)に合格した技能士。

競技職種は家具のほかに、染色補正や婦人服製作、紳士服製作、和裁、寝具、石工、建築大工、建具、表具、畳製作、旋盤、ガラス施工、貴金属装身具、園芸装飾、日本料理、フラワー装飾、レストランサービスなど30種に及ぶ。

第26回技能グランプリ、大会中の会場風景。計30職種、延べ約480人が出場しました
第26回技能グランプリ、大会中の会場風景。計30職種、延べ約480人が出場しました