2014年3月3日
Vol.31 自然の鉱物をイメージした家具を製作
清水建設 東京木工場では、今村証券株式会社のカンファレンスルーム新築工事において、同工事に伴ってロビーの置き家具、カウンターとベンチの製作を行いました。
本工事と家具のデザイン、設計・工事監理を担当したのは、清水建設グループのフィールドフォー・デザインオフィス。同社とは、これまで豊洲キュービックガーデンやIPECなどにて度々協働し、交流を深めてきました。そうした経緯もあり、「今回の製作をぜひ東京木工場で」と同社からの依頼を受け、東京木工場の若手職人が中心となって、家具製作を進めました。 それが、ここ10年ほどで、国産木材の値段が半額以下に下がってきました。また、5センチ以上厚くすれば耐火被覆材として使えるなど、木材に対する防火規制が大幅に緩和されたり、地球環境に優しい材料として活用ニーズが高まるなど、社会的な追い風が吹いています。さらに技術面でも、不燃処理技術の進化はもちろん、木の面格子を構造体として使うことで耐震性を向上させるなど、木材の新たな使い方がどんどん広がってきています。
空間を疑似的な森として演出するというコンセプトから、カウンターとベンチのデザインは森の中にあっても違和感のない、“自然の鉱物のようなイメージ”をしたもの。その具現化には、高難度の作業が求められました。そこで東京木工場では、フィールドフォー・デザインオフィスと膝を突き合わせての打合せを幾度も実施。図面上だけではわかりにくい木目の方向や色合いの確認はもちろん、木材の角度についても図面と実際で差が出ることが考えられたため、下地の段階で製作中の現物を同社に確認してもらいながら、その都度、変更や調整を繰り返していきました。 それが、ここ10年ほどで、国産木材の値段が半額以下に下がってきました。また、5センチ以上厚くすれば耐火被覆材として使えるなど、木材に対する防火規制が大幅に緩和されたり、地球環境に優しい材料として活用ニーズが高まるなど、社会的な追い風が吹いています。さらに技術面でも、不燃処理技術の進化はもちろん、木の面格子を構造体として使うことで耐震性を向上させるなど、木材の新たな使い方がどんどん広がってきています。
設計者との綿密な打ち合わせ、機械での精緻な加工、手作業での細かい納め作業など、1つひとつを迅速、確実に進めながら、完成させた今回の家具。製作に携わった東京木工場の若手職人にとっては、過去のフィールドフォー・デザインオフィスとの協働と同様、新たな挑戦に立ち向かい、大きな経験値を得たプロジェクトとなりました。
今村証券(株)カンファレンスルーム新築工事
施工概要
- 所在地:石川県金沢市
- 施工場所:2階ロビー 受付カウンター、ベンチ
- 材 種:オーク(ウレタン素材)
- 設計監理:株式会社フィールドフォー・デザインオフィス
- デザイン:株式会社フィールドフォー・デザインオフィス
- 製 作:清水建設株式会社 東京木工場
本工事のデザインコンセプト
- 空間コンセプトは森(擬似的な森)
- 壁には木材を用い、天井には反射するアルポリック(アルミ複合板多機能建材)を使用。天井への映り込みや見え方の変化、幾何学なパターンは自然現象や木漏れ日をイメージ。
- 家具もオブジェのような強さが必要(おとなしいと逆に不自然)なため、森にあっても違和感のない、自然物の鉱物のような塊をイメージ。
- 壁に描かれたアートがダイナミックでエネルギーがあるものなので、全体をおとなしくするのではなく、家具もシャープな印象を作りながら、力強いデザインにすることで空間の調和や融合を考えた。(以上、フィールドフォー・デザインオフィス担当者談)