医療施設のためのSHIMZ Solution
激甚化する豪雨災害、これまでの対策で大丈夫? 医療継続を実現する、実効性の高い “水害タイムライン防災計画” とは 激甚化する豪雨災害 これまでの対策で大丈夫? 医療継続を実現する、実効性の高い “水害タイムライン防災計画” とは
タイムラインとデジタルで
災害対策が変わる
水害タイムライン防災計画の策定から運用まで
フルパッケージでご提供します
清水建設では、病院の建物・設備や、立地に応じた気象・河川などの特性を読み解き、専門家の目線で水害リスクを診断。院内での医療活動に配慮した防災行動の整理などをサポートすることで、それぞれの病院に即した実効性の高い水害タイムラインの策定を支援します。
さらに、災害時に必要な院内情報を一元化し、リアルタイムに共有できるデジタルシステム「MCP支援システム」により、災害対策本部の迅速で的確な判断が可能となり、医療活動のパフォーマンス向上に貢献します。
災害時医療継続のための
コンサルティング
清水建設のMCPソリューション
5つのSTEPで医療継続を支援
清水建設のMCP(Medical Continuity Plan)ソリューションでは、まずは医療施設ごとに適したタイムラインを策定し(STEP1~3)、段階に沿ってその実効性を高めていきます(STEP4、5)。万全の対策と備えで、いざという時の医療継続を支援します。
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建物・設備の浸水リスクを把握
浸水によって損失する機能を専門家の目で確認
立地条件や建築・設備の計画などを踏まえ、浸水リスクを把握します。例えば非常用発電機が、想定される浸水深より上層の階に設置されていても、稼働に必要な燃料タンクや発電機に燃料を供給するポンプが水没する危険の高い場所にあれば電源が喪失してしまいます。病院の建築や設備に詳しい専門家の目を通して、リスクを正確に見抜いていきます。
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防災行動業務を時系列で洗い出し
「誰が」「いつ」「何をする」かを漏れなく整理
防災行動業務とは、災害の危機が迫った際に、各部門・部署が業務の一環として取るべき行動です。対策準備の段階では、看護師長による連絡方法の確認や看護部スタッフによる防災備品の点検などがあげられます。「STEP1」で把握した浸水リスクを踏まえたうえで非常時の業務フローを定め、それを基に防災行動業務を漏れなく洗い出していきます。
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防災活動を開始する
実施判断基準(トリガー)を設定立地環境に応じた科学的な情報を選定
災害時医療継続計画(MCP)の一環として水害タイムライン防災計画を作成する際は、時間の経過に従って「対策準備」「対策開始」「対策本部立ち上げ」「最終確認」「応急対応」などのステージを定めます。各ステージにおいて負荷の大きな業務やサプライヤーの負担を伴う業務は、確度の高い情報に基づき、立地特性に応じた確実な実施が必要です。気象や河川に関する科学的な知見を活かし、立地特性に応じたトリガーを設定し、ステージ移行の適否を判断する基準とします。
水害タイムライン防災計画
STEP1~3では、まず水害タイムライン防災計画を作成します。その実効性を高めるには、さらに次のステップへ進みます。
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医療継続に必要な情報を
可視化・共有デジタル技術を活用し、リアルタイムに情報を取得
水害タイムライン防災計画の実効性をより高めるために、「MCP支援システム」を活用します。このシステムは、災害対策本部をはじめとして、災害時の活動に関わる院内スタッフが医療提供に必要な情報を可視化・共有するものです。その情報とは、タイムラインに沿った防災活動業務と進捗状況、病院スタッフの安否確認・参集情報、救急患者数と対応にあたるスタッフ・医療機器の使用可能情報、医薬品や診療材料をはじめとした医療資材の充足度などです。災害対策本部としてこれらの情報を一元化し、関係部門間に共有することで、医療の継続を図ります。
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防災訓練実施を支援し、
水害タイムラインを評価、改善PDCAを回しながら実効性を向上
水害タイムライン防災計画は作成することが目的ではありません。いざという時の災害現場で役立たせるためには、PDCAサイクルを回しながら、その実効性を高めていく過程が欠かせないのです。当社では策定したタイムラインに沿った、医療継続に特化した防災訓練を推奨。災害時医療継続計画(MCP)を評価・見直し、タイムラインの実効性を高めていきます。
防災訓練などで実行、評価、改善を
繰り返しながら
タイムラインをスパイラルアップ。
各医療施設に応じた実効性の高い
水害タイムライン防災計画を
作りあげていきます。
CASE STUDY 導入事例
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取組み事例1
災害拠点病院のタイムライン策定を
トータルサポート熊本県人吉市の災害拠点病院、人吉医療センター(252床)は、日本三大急流の一つである球磨川の流域に立地しています。2020年7月には豪雨被害に見舞われたため、当社のサポートのもと、水害タイムライン防災計画の策定に着手しました。まずは浸水リスクを把握したうえで、20を超える部署から300以上の防災行動業務(タスク)を洗い出し、タイムラインを作成。トリガー(実施判断基準)の設定には京都大学で開発した高精度の水位予測技術「全国版RRIモデル」を活用しています。2022年5月にタイムラインに沿った防災訓練を初めて実施。同年9月に台風が襲来した際には、策定していた水害タイムライン防災計画が活用され、その効果が発揮されました。
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取組み事例2
災害時の医療継続にデジタル技術を活用
人吉医療センターでは水害タイムラインの策定に続き、2022年10月に防災訓練を実施。災害時の医療継続に必要な情報をリアルタイムに一元化・共有する「MCP支援システム」を活用し、水害タイムライン防災計画の実効性を向上させました。成果の一つは、報告・連絡の手間を省く一方で、院内の情報を正確に一元化できた点です。また、人員招集・配置の効率化・迅速化にもつながりました。例えば防災行動業務に必要な人員を招集するときには、このシステムを介して、対応要員が素早く確保されました。患者の搬送エリアに医師を配置するときには、患者の搬送状況と医療スタッフの活動状況をリアルタイムに把握し、適切な医師を迅速に配置することができ、システムの有効性が実証されました。
Solution Technology
独自に開発した支援システムで、
災害時に必要な情報を可視化
MCP支援システム
MCPソリューションのコンサルティングの一つとして、当社では水害タイムライン防災計画の実効性をより高める、MCP支援システムを提供しています。このシステムは災害対策本部をはじめ、災害時の活動に関わる院内スタッフが医療提供に必要な情報を可視化・共有するものです。タイムラインに沿った防災活動業務・進捗状況、病院スタッフの安否確認・参集情報、救急患者数と対応にあたるスタッフ・医療機器の使用可能情報、医薬品や診療材料をはじめとした医療資材の充足度などがリアルタイムで把握できます。災害対策本部で必要な情報の一元化・共有を図れるシステムです。
MCP支援システムが持つ3つの機能
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1 準備タスク管理
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2 患者・施設情報管理
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3 救急患者対応管理
全国版RRIモデル
全国版RRIモデルの活用で
科学的知見に基づくトリガーを設定
災害拠点病院などでは、発災後も医療を途切れなく提供することが求められます。そうした施設には確度の高いトリガー情報が欠かせません。全国版RRIモデルは、降雨予測の情報を基に日本全国の河川の水位や流量を6時間先まで高精度に予測するもので、京都大学が開発しました。「RRI」とは、「Rainfall(降雨)」「Runoff(流量)」「Inundation(氾濫)」の頭文字を意味しています。豪雨や台風に見舞われても医療継続を実現するための予測モデルとして期待されています。人吉医療センターで2022年10月に実施した防災訓練ではこの予測モデルを活用し、有効性を実証しています。
RRIモデルによる洪水予測は、降雨の流出から身近な浸水の状況までを流域一体で解析します。土の中を流れる水や、川から溢れた水の動きなど、より現実的な水の流れを追跡して、制度の高い洪水予測を目指します。