野村不動産溜池山王ビル
持続可能な社会づくりに真摯に取り組む野村不動産と清水建設が良質な高層木質テナントオフィスのあり方を追求、人々の健康生活の推進や知的生産性の向上に長期間にわたり寄与するロングライフな環境となることを目指し、木質ハイブリッド技術「シミズ ハイウッド®」による高層テナントオフィスの木質化を実現した。


所在地 | 東京都港区 |
---|---|
竣工年 | 2023年 |
建築主 | 野村不動産株式会社 |
主用途 | 事務所 |
階数 | 地下1階・地上9階 |
主構造/耐火性能 | S造一部木造 (耐火集成材によるラーメン架構) /耐火構造 |
延床面積 | 約5,600m2 |
木材使用量/CO2固定量 | 470m3(0.084m3/m2)/286t-CO2 |
「シミズ ハイウッド」 木質ハイブリッド技術 |
|
ランドスケープ | 株式会社KakSak |
木質無柱オフィス空間の創出
敷地は南北から採光と通風を期待できるため、周辺ビルが隣接する東西部分に耐震要素・設備機能を集約することで、南北の外部環境を最大限採り込む21m×18mの木質無柱オフィス空間を創出した。



木質ハイブリッド技術「シミズ ハイウッド」の要素技術の発展・深化
本計画では、外装面は軸力に強い「スリム耐火ウッド®」の木質フレーム、ロングスパンは耐火木鋼梁「ハイウッドビーム」で構築、各種木質構造部材を現しとする高天井の木質空間を創出することで、ワーカーの健康生活の推進や知的生産性の向上に貢献している。


「改良型PCa接合部」と「簡易型接合部」を開発
これまではPCa仕口を設け、上下の金物を介して柱母材に接合する形をとってきたが、今回は種々の耐火実験を実施し、ディテールにフィードバックをしながら設計を進め、新たに「改良型PCa接合部」と「簡易型接合部」を開発。現場での建方手間を削減し、今後の木質建築の普及に寄与するディテールとした。





木の建材利用の普及・促進による持続可能な社会へ
本計画では、同分野では国内最大級となる約470m3(0.08m3/m2)の木材を使用し、炭素の固定量は約286t-CO2を実現している。木質建築の魅力が広く世に伝わることで、これからも持続可能な社会の実現の一助となるよう取り組んでいる。



令和6年度木材利用推進コンクール(2024)/内閣総理大臣賞 ウッドデザイン賞 2024 JIA優秀建築選 2024 日本空間デザイン賞 2024/サステナブル空間賞 令和6年度港区みなとモデル二酸化炭素固定認証制度(2024)/最優秀賞 ウッドシティTokyoモデル建築賞 2024 第27回木材活用コンクール(2023) 令和3年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)採択