2023年8月8日、森ビル株式会社は約350名ものメディア関係者を麻布台ヒルズに招き、A街区「麻布台ヒルズ森 JPタワー」の33階で記者説明会を開催した。その席で開業は本年11月24日と告げられた。大規模都市再生事業の一歩を踏み出した「街づくり協議会」の設立から実に35年近くが経過する。権利者は約300件、計画区域は8.1ha。すべてが桁違いのスケールだ。

「麻布台ヒルズはヒルズの未来形だ」。プレゼンテーションを行う辻社長の言葉に力が入る。「Modern Urban Village～緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街～」というコンセプトの下、人々が自然と調和しながら、心身ともに健康で豊かに生きることができる街を目指すという。それだけに、計画区域内には“圧倒的な”緑が広がり、集積させた多様な都市機能と見事に調和している。

プレゼンテーションと質疑応答の後、メディア関係者は 52 階のオフィスフロアを見学。超がつくほどの快晴ゆえ、否が応でも、巨大なオフィス空間の窓越しに都心の景色が目に飛び込んでくる。まさに絶景だ。メディア関係者は我先にと窓際に向かい、しばらくの間、景色に見惚れてしまう。面白いことに、頭頂部が先細る東京タワーが小さく見える。ここからしか見ることができない“珍景”かもしれない。ヒトワザの取材で何度も足を運んだビルゆえ、この景色が見納めになると思うと寂しい気持ちになるが、街びらきが待ち遠しい。