サステナビリティ・リノベーション

経年ビルの物件価値を最大化する新事業

サステナビリティ・リノベーション

サステナビリティ・リノベーション経年ビルの物件価値を
最大化する新事業

サステナビリティ・リノベーションを行った「DSBグループ潮見ビル」。外観は1995年の竣工時から変わっていない

更新期を迎えた既存建物を取得し、最新の環境性能、BCP性能、健康・快適性などを備えた建物にリノベーションすることで、物件価値の最大化を図る。このような新しいビジネススキームが投資不動産業界で活発化しています。
この流れを受けて、シミズは2017年9月に「サステナビリティ・リノベーション事業」を本格稼働させました。

造注型ビジネスをワンストップで

シミズのサステナビリティ・リノベーション事業とは、環境・エネルギーマネジメントを主眼とするサステナビリティ事業と、建造物の生涯にわたる運営・維持管理などを行うストックマネジメント事業を融合した新規事業です。

その第一弾として2018年1月に大規模改修が完了したのが、東京都江東区の「DSBグループ潮見ビル」。当社が施工した築20年超のオフィスビルで、刑事ドラマ「踊る大捜査線」で湾岸署として使われていた建物です。

サステナビリティ・リノベーション事業を統括するLCV(Life Cycle Valuation)事業本部の副本部長、陰山恭男は、この新事業について次のように語ります。

LCV事業本部副本部長 陰山恭男
LCV事業本部副本部長 陰山恭男

「これまでの建設会社のビジネスは、発注者からの『請負型』が主流でしたが、サステナビリティ・リノベーション事業は、自ら仕事をつくり出す『造注型』と言えます。DSBグループ潮見ビルの主な事業スキームは、まず、当社がオーナーから建物の『信託受益権』(賃料収入など信託した資産から生じる経済的な利益を受け取る権利)を取得。その上で、環境・健康性能やBCP性能などの向上を図る大規模改修を実施しました。既存テナントとは、建物価値と満足度の向上に伴い、新たに長期賃貸借契約を締結。信託受益権は、既に不動産・開発会社のヒューリックに売却し、収益を得ています。 なお、改修後のPM(プロパティ・マネジメント)・BM(ビルディング・マネジメント)業務も担います。シミズが、企画から提案、実施までをワンストップで行うビジネスです。投資開発、技術研究所、設計、施工、エンジニアリング、財務経理、関係会社など、多くの部門の力を結集させることのできる当社ならでは取り組みだと言えるでしょう」。

リスクとウェルネス+エコの観点でバリューアップ

今回、DSBグループ潮見ビルの価値を最大化させるためにシミズが着目したのが、「リスク」と「ウェルネス+エコ」でした。

DSBグループ潮見ビルで行ったバリューアップリノベーション
DSBグループ潮見ビルで行ったバリューアップリノベーション

リスク対応としては、災害発生時に避難経路となる1階エントランスの天井を耐震化。シミズオリジナルの安震モニタリングシステムの導入により、地震時の初動判断が迅速に行えます。また、非常用電源・空調・給排水を72時間対応可能としました。BCP電話・インターネット回線の衛星通信の確保により、災害時でも外部との通信ができるようになっています。一方、建物が海沿いにあることから、車路入口の防潮板の高さを上げたり、主要機械室出入口に止水板を設置するなどの水害対策も施しました。

最新の耐震基準に合わせて改修した1階エントランスの天井
最新の耐震基準に合わせて改修した1階エントランスの天井
水害の恐れがある時に設置する車路入口の防潮板は高さを上げた
水害の恐れがある時に設置する車路入口の防潮板は高さを上げた

ウェルネス+エコ対応としては、執務室の居住性を上げるために、トイレと給湯室の全面改装に加え、地下にシャワールームを新設。照明は全館LEDに更新し、休憩室を有するフロアなどの照明は、LED可変照明システムによって、色温度や照度を変えることができるようにしました。
さらに、運河に面した外部空間には、新たに緑に囲まれたリフレッシュスペースを創出しています。

リニューアルしたトイレ(女性用)
リニューアルしたトイレ(女性用)
新設したシャワールーム
新設したシャワールーム
全館LED照明に更新。窓にはブラインドとロールスクリーンを併用することで日射を遮蔽する
全館LED照明に更新。窓にはブラインドとロールスクリーンを併用することで日射を遮蔽する
外部に設けたリフレッシュスペース。左に見えるのが、非常時用の冷暖房及び発電設備の冷却塔
外部に設けたリフレッシュスペース。
左に見えるのが、非常時用の冷暖房及び発電設備の冷却塔

大規模改修に当たっては、テナント入居者が業務を継続している中で工事を進める“居ながら施工”を計画したことも、既存テナントからの評価のポイントとなりました。

オーダーメイドのアイデアと対応を提供

「建物をご利用されている経営者の方々は、社員の安全・安心、快適の創出について常に考えておられる。そのために、既存建物の価値をどれだけ高められるか、オーダーメイドのアイデアと対応が求められています」と陰山は語ります。
DSBグループ潮見ビルのサステナビリティ・リノベーションの成功を強みに、シミズでは今後、自社施工の既存ビルを中心に、年間3~5物件の事業化を目指していきます。

DSBグループ潮見ビル