S-Jetモバイル(除染)

除染作業の一層の効率化と放射性廃棄物、除染廃液の削減を目的に、超高圧水の噴射により少水量で高効率の除染を行う除染システムです。一般民家の土間や駐車場、歩道、小路などの狭隘な場所で行う除染で威力を発揮します。(株)スギノマシンの協力により開発・実用化しました。
システムの小型化により、作業員数がシステムあたり8人減の5人となること、使用するトラック台数が2台減の1台になること、さらに水処理費用が減ることから、除染コストは作業量が300~400m2/日の場合で1/4以下の970円/m2となります。
環境省が行っている平成24年度の除染技術実証事業に採択され、福島県伊達市で実証試験を実施し、少水量で高効率の除染が可能という評価を得ています。

概要

手押し式の掃除機大のフロアクリーナー、フロアクリーナーに装着され除染廃液を回収するバキュームユニット、フロアクリーナーに超高圧水を供給する180MPaの超高圧ウォータジェットシステム、発電機等から構成されます。構成機器を小型化したことにより、トラック1台に搭載できます。また、新開発の特殊ノズルヘッド(ツイストロータリーノズルヘッド)を使用することにより、少水量・高効率除染での除染作業が可能となりました。

  • 特殊ノズルヘッド(ツイストロータリーノズルヘッド)
    直径20cm程度の円筒形フロアクリーナーの中で、路面と平行に高速回転(1000~1600回転/分)しながら、超高圧水を噴射します。しかも回転方向に向いたノズルから路面をえぐるような角度で超高圧水が噴射されるので、路面が受ける水圧が相乗的に高くなります。これにより、少水量ながら高い除染効果を発揮するとともに、逆に少水量なので切削厚さを最小限に抑えることが可能です。なお、除染部位表面の汚染状況は現場によって異なるため、ノズルヘッドの回転数や路面との距離を調整することで、除染効果を最適化します。

作業後、回収した除染廃液等はトラック上のタンクにいったんストックし、放射性物質を約99.9%除去できる凝集沈殿処理を施し、固形物は放射性物質として回収。上澄水は放射能濃度が放流基準を満足していれば現地で一般排水として放流、満たしていない場合にはゼオライトを用いたフィルターで処理します。

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機器の小型化によりトラック1台に搭載されたS-Jetモバイル
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大熊町での実証試験状況
(アスファルト路面)
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特殊ノズルヘッド
(ツイストロータリーノズルヘッド)

実績・実例

  • 福島県伊達市

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