vol73
50/61

築80年を超える歴史的建築の全面的なリニューアル。駅舎機能を維持しながら、居ながら改修による耐震性能向上、外装美装化、設備更新を行い、新たな商業施設として生まれ変わった。外装改修では、約40年前に覆われたアルミルーバーを全面撤去し、GRCカバー工法による創建時の姿の復活と、将来を見据えた外壁性能の再構築を行った。耐震ブレースを組み込み、オリジナルよりも彫の深くなった外装は、一見すると昭和初期の意匠に見える。しかし、そこには現代の建築に必要な性能を担う要素が込められている。昭和初期に浅草の街に差し込まれたネオ・ルネサンス様式の建築は、新たな技術を丁寧に重ね合わせた現代の姿として再び立ち現れ、国際観光の街として刻んできた時のプロセスを継承している。金澤 陽一 + 佐藤 剛也エキミセ(東武浅草ビル改修)EKIMISE耐震ブレース新設サッシュ耐震鋼板壁新設GRC外装既存外装新設外装時のプロセスと現代の技術のオーバーレイ時計塔盤面メダリオン型起こしGRCカバー工法取付状態耐震ブレース改修前創建時(1931年)外装再構築のプロセス48vol.73

元のページ 

page 50

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です