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33vol.69SHIMIZU INSTITUTE OF TECHNOLOGYULTRA-CLEAN ROOM LABORATORY清水建設株式会社 技術研究所 新クリーンルーム実験棟生産技術の高度化に伴い、信頼性の高いクリーン環境の実現は、生産プロセスの要となっている。本施設は、顧客企業と密接な連携の元、最適なクリーン環境を迅速かつ確実に実現するための実験・検証施設として計画された。この実験棟は、スーパーナノクリーンルーム・モックアップクリーンルーム・バイイオロジカルクリーンルームの3種類のクリーンルームを備えている。スーパーナノクリーンルームは、清浄度・湿度・分子状汚染物質濃度を同時に極低濃度に制御できるクリーンルーム技術を開発し、世界で初めて、清浄度は「1㎥の空気中に粒径0.1μm以上の微粒子が1個以下」、露点温度は「1㎥の空気中に1ng以下」を実現している。開発項目一覧本開発技術は、当社が1990年代から開発を行ってきた低アウトガス部材と今回開発した低アウトガス機器により構成されている。データベースの構築ケーブル(電源・制御)、パッキン、接着剤、焼付パネル、グレーチングパネル、LED照明、耐水パテなど42点・数百ポイントに及ぶアウトガスを測定し、データベースを構築した。立上げ期間中の有機ガス・イオン類濃度の経時変化実測値クリーンルームは、各ステップの目的・目的達成の方法・室内の状態・運転期間等を明確にし、ステップ毎に立上げを行った。施工中から目標濃度達成まで定期的に濃度測定を行い、各ステップの達成状況を見極め、次ステップに進む立上げ計画とした。立上げ開始から約6カ月後にすべての目標物質で目標濃度を達成した。有機ガスTenax-GR管とサンプリング時間短縮・汚染防止に優れたSi捕集管で捕集GC(ガスクロマトグラフ)およびGC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いた同時分析。分析精度が優れた2本ノズル型インピンジャー法を開発し捕集・分析。イオン類・ドーパント・金属類第47回空気調和・衛生工学会賞技術賞(技術開発部門)長谷部 弥検証技術材料・機器の開発実測値とモデルによる予測値の比較(アンモニア)開発したシミュレーションによる計算値と実測値を比較した結果、減衰時の濃度変化および最終到達濃度ともによく一致していることが確認でき、シミュレーションの妥当性が検証できた。分析検証技術分析機器の検出下限に近い測定となるため、サンプリング時間を短縮し精度の高い測定ができるサンプリング方法を開発した。項目特徴ULPAフィルタアンモニア発生量1/100以下のパッキン・接着剤使用有機ガス発生量1/100以下塗り床材有機ガス発生量1/10以下アンモニア発生量が1/2以下シーリング材有機ガス発生量が1/10以下シリコンウエハに吸着する有機ガス発生量が1/10以下ケミカルフィルタユニット低アウトガスパッキン使用焼付塗装条件の最適化/清掃・清浄仕様の確定活性炭ケミカルフィルタ高賦活、薬品添着による除去率のアップコーティングによる発塵量の削減ケミカルフィルタチャンバ構成部材の確定ケーブル有機ガス発生量が1/10以下シリコンウエハに吸着する有機ガス発生量が1/2以下コンクリートアンモニア発生量が1/10以下外調機除湿機パッキン使用の極少化/低アウトガスパッキン使用焼付け塗装条件の最適化/清掃・洗浄仕様の確定有機ガスF-Cl-NO2-NO3-SO42-NH4+NH4+実測値NH4+計算値枯らし運転高温運転期間ドライケミカルケミカル施工中目標濃度目標濃度1E-011E+001E+011E+021E+031E+041E+051E+061E-011E+001E+011E+021E+031E+041E+051E+06イオン濃度[ng/㎥]・TVOC濃度[μgC/㎥]濃度[ng/㎥]有機ガス発生速度[μgC/kg・h]1000000100000100001000100101材令(時間)100200300400500600700シーリング材の有機ガス発生量比較0ウレタン系シーリング材シリコン系低シロキサン型ウレタン系当社開発品1/1001/10

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