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海辺の街に建つオフィスである。敷地は東京湾へと真っ直ぐ伸びる緑豊かな臨港プロムナードに面しており、周辺は低密の建物が立ち並ぶ。このようなおおらかな周辺環境とひと続きとなるコンパクトなオフィスをつくろうと考えた。厚さ300mmの2枚のフラットスラブを突き出しそれをφ350mmのコンクリート細柱で支え、間を事務室とした。一方300mm厚のコアウォールに囲まれた場所を機械のデモルームとし、空間を合理的に構成した。耐震壁に地震力を負担させることで細柱+フラットスラブで梁の無い開放的な空間とし、コンクリート造でありながら軽やかな外観とした。コンクリートと鉄とガラス。視線の先に広がる樹木の枝葉の成り立ちと同じように、必要最小限の部材で構成した。自然の中に佇むには、素材は無垢な方がよい。飾り気のない密実な躯体の中に、季節の移ろいや陽の光・樹木の影など自然を感じられるオフィスをつくれたと思う。淺田鉄工東京支店ASADA TEKKO Tokyo branch加藤 万貴27vol.69

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