今度は、私が周りを
支えていけるように。

聴覚障がい 橋本 佳苗 はしもと かなえ

  • 2022年度入社
  • 東京支店 積算企画部 教育グループ

清水建設と出会い、
働き方の可能性が広がった。

「建築っておもしろい」と感じたきっかけは、幼少期に観ていた住宅リフォームのTV番組。頭の中の考えが、どんどんかたちあるものに仕上がっていく様を観て「こんなの作ってみたい!」とワクワクしたのを覚えています。 私は聴覚に障がいがあります。周囲の方々から支えてもらった経験というのも、進む道を決める上で非常に大きかったです。建築を学びながら、多くの方々との交流を経ていくうちに「人と人のつながりを生むまちづくり」に興味を持ち始めました。

ただ、実際にどうすれば「まちづくり」に関わることができるのか模索していた頃、清水建設の方と面談する機会がありました。まちづくりに興味があること。障がいのこと。それらを加味した上で「こんな仕事もあるんだよ」や「こんな職種も向いているのでは?」と、私の世界を広げてくれました。さまざまな会社を受けましたが、こんな提案をしてくれたのは清水建設だけでした。 自分が想像していた以上に、働き方の可能性が広がった気がしたんです。清水建設はダイバーシティ推進に力を入れており、情報保障の環境が整っているので、安心して働くことのできる場だと感じました。

勇気を振り絞って、
人に「聞く」ということ。

入社後は積算企画部に配属。今は、現業の若手社員を対象とした「全社見積基礎研修」の講師を担当しています。私よりも現場をよく知る先輩たちに研修を行なっているため、学ぶことの多さを痛感している日々です。 聴覚に障がいがあるとコミュニケーションに不安を抱えることが多いのですが、講義では毎回、わかりやすく自分の言葉で明確に伝えることを目標にしています。
どうしたらわかりやすく伝わるか。受講生の質問に自信を持って答えられるか。さまざまな手法を試し、日々工夫をしています。そのことが今一番自分の中で胸を張れることです。 これも講師業務に挑戦させてくれる職場の環境と、不安ながらも挑戦したいという自分の気持ちがあったからこそだと思っています。
ただ、当初はその「コミュニケーション」が、なかなかうまくいきませんでした。全員の口がマスクで覆われていたからです。私が入社したのはコロナ禍の真っ只中。口の動きから相手の発話を読み取っている私にとって、この状況下で「マスクを外し、口を大きく開けてくれませんか」とお願いするのは非常に困難で、とても悩んだ時期がありました。それでも勇気を振り絞って、上司や身近な先輩に相談。それ以来、なんと直接相談をしていない方々も私と話す時はマスクを外してよりはっきり話してくれるようになったんです。 私が知らないところで、思いやってくれている人々がいる。そのおかげで、コロナ禍においても「コミュニケーション」がスムーズに進められました。

支えられて成長する。
この構造はこれからも変わらない。

清水建設では、会長・社長、そして障がいのある社員たちが一堂に集まって交流する「チャレンジフォーラム」というイベントを実施しています。元々は会長と社長からの要望で始まったもので、障がいのある社員がより働きやすくなるための「工夫」や「改善」が生まれる貴重な機会。これは、清水建設ならではの魅力の一つだと思います。 また、さまざまな障がいのある方々と直接会って情報交換する場でもあり、何よりも仲を深める場でもあります。今ではプライベートでも会うようになって、心から支え合う仲間になっています。

こうして振り返ってみると、私が日々チャレンジできているのは、見えないところで周りの人に支えられて成り立っているんだと、あらためて実感しています。支えられて、成長していく。この構造はこれからも変わらない。私が所属している積算企画部も、ものづくりの現場をしっかり支えています。 これからも、自らが支えられているという実感を忘れず、自らも支えるしごとに誇りを持って頑張っていきたいと思っています。

※ 2024年9月時点の掲載内容になります。

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