「清水建設北陸支店新社屋」がWELL v2 pilot プラチナを取得

2022.07.14

「清水建設北陸支店新社屋」は、2021年4月に竣工し、5月から業務を開始しました。当社屋は、1978(昭和53)年に建設した旧支店社屋の老朽化に伴い計画したもので、「未来へつなげる『超環境型オフィス』を北陸から」をコンセプトに設計を進め、2020年4月に建設工事に着手しました。建物規模は地下1階・地上3階、延床面積4,224m2です。

WELL認証は、2022年7月にWELL v2 pilot プラチナを取得しました。WELL認証の取得に当たり、各評価項目の要件を満たすため、設備面のみならず意匠面でもさまざまな工夫を施しました。

設備面では、自然通風・採光、床吹き出し空調、躯体蓄熱型放射空調、タスク&アンビエント空調・照明、調光調色照明等を採用しています。これにより、「高度な空気質」、「輻射による温熱快適性」、「サーカディアン照明デザイン」、「高度な昼光アクセス」、「入居者による照明環境コントロール」で加点しています。「水質の一貫性」でも加点し、年4回の水質検査を行い、結果をイントラネット上で公開しています。また、アメニティ施設として、従業員の25%が一度に食事できるスペースを提供しています。さらにWELL認証の要件を満たす性別等に関係なく使用できる「個室トイレの提供」も行っています。

配置計画では、フロア中央に階段を設置し、フロア間の移動に階段を使用するように配慮されています。これにより、「運動ネットワークと動線」で加点しています。また、自転車通勤者用にシャワーやロッカーも整備されています。

意匠面では、地域との共生、伝統と革新の融合を目指し、金沢の伝統的な建築様式を現代の技術で再現しました。建物の外観を特徴づける格子状のフレームは、古都に相応しい端正な佇まいを表現するとともに、構造体の壁柱として機能します。建物の東・西面に配置した格子状の日射ルーバーは、金沢の伝統的な街並みにみられる木虫籠(きむすこ)を再現したものです。建物内では、集成材と鉄骨を一体化した耐火木鋼梁「シミズ ハイウッド®ビーム」を格子状に架設し、金沢伝統の格天井(ごうてんじょう)を再現。木鋼梁の外皮となる集成材には石川県の県木・能登ヒバを採用し、計232m3の県産材を用いてスパン25m超の木質天井を構築しました。これらにより、必須項目「自然へのアクセス」を満たすとともに、「高度な自然へのアクセス」でも加点しています。