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清水建設の社寺建築・伝統建築


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明治神宮 南玉垣鳥居(第三鳥居)建替工事
6年の歳月をかけた南玉垣鳥居の建替工事についてご紹介します。

明治神宮南神門前にある南玉垣鳥居を建替えました。

旧鳥居は大正9年、ご鎮座時に建立した台湾桧を使用した鳥居で平成20年の調査で柱に傷みが進んでいることがわかり、平成22年に片側の柱の補強が行われました。

その後、国産の桧で同じ姿、形で建替える事になり、材料の調達が始まりました。

既存の鳥居の寸法を実測し、それを元に加工場の床に実際の大きさで現寸図を描き寸法を確定しました。その寸法を元に原木丸太の調達を行いました。

既存鳥居の現寸図の作製(平成22年9月)

標高920mを超える木曽王滝村の中部森林管理局の土場です。今回は主に木曽の桧を使いました。

長野県木曽地方の土場の桧丸太(平成22年11月24日)

現寸図から作った笠木の型板を丸太の木口にあて、適した材であるかの確認をしています。

材の曲り、入皮などの傷を念入りに確認します。

南木曽町土場での材料検査(平成23年3月11日)

土場での確認の後、山形県酒田市の加工場へ運び、木取り・荒挽き作業に入ります。

現寸図を写したフィルムを丸太の元と末の木口に張り、島木の芯を決めて、荒挽きのための墨出しを行います。

酒田市加工場で島木の木取りと墨掛け

いよいよ柱の製材です。丸太の4面を帯ノコで挽きます。

乾燥による材の曲りや捻れを考えて大きめに製材します。

柱の製材(平成23年6月9日)

材に割れが入らないように木口に紙や割れ止めを塗布し、屋内でじっくり乾燥させます。

挽いた材の割れ止め養生と乾燥

柱は8角迄帯ノコで製材され、この後16角、32角、64角と加工していきます。

白太や入皮、節などの状態を確認しながら軸芯を調整し正規の寸法へと順次仕上げていきます。

八角迄製材された柱

加工作業も終盤に入り、柱と、島木の仮組です。

仕口の枘(ホゾ)や渡り腮がしっかり緩みなく入るかの確認をします。

加工、仮組みの確認(平成28年6月)

32角まで仕上げられた柱。

このあと64角まで電気鉋(カンナ)で加工され、最後に丸鉋(カンナ)で木の目を見ながらていねいに手作業で仕上げていきます。

32角まで仕上げられた柱

今回の丸柱に合わせて作られた丸鉋(カンナ) 。

刃と台が凹面になります。

刃を研ぐ凸面の砥石も大工が自ら作ります。

柱の丸い形状に合わせて作られた鉋

柱の根元はコンクリートの基礎に埋められますがその部分を銅板で二重巻きにしています。

柱の銅板巻き

既存鳥居解体前に清祓式が行われました。

解体清祓式(平成28年7月27日)

大正9年に建てられた鳥居(台湾桧)の笠木・島木を一体で解体しているところです。

柱の部分などに大きな傷みが見受けられました。

既存鳥居の解体

新しく加工された鳥居材が入場し、建方前に清祓いが行われました。

建方清祓式(平成28年9月26日)

2本の柱にを貫通させます。

材に傷をつけないよう構台上のローラーで芯を合わせながら慎重に組みます。

柱と貫の地組

いよいよ地組した鳥居の建込みです。

組んだ鳥居に無理な力が加わらないよう回転架台を使って建て起こしました。

柱の建て起こし

柱がねじれないよう、柱脚部は仮の継ぎ材で結んでいます。

クレーンの足元に島木と組まれた笠木が見えます。

柱の建方

今回はの上端に勾配をつけました。

とくにの水が柱内部に入り易いので柱の際に水返しをつけるなどの工夫をしています。

貫と楔の銅板葺き

鳥居は柱の根元が一番傷み易く点検を考えて、亀腹石の目地をシーリング材としました。

シーリング材の一部を切り取り、定期点検するためです。

また、亀腹石は創建当初のものを再用しています。

亀腹石の取付

鳥居が完成し、竣功清祓式に続きくぐり初め式が行われました。

用材調達より6年の歳月を費やしました。

竣功(平成28年10月26日)



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