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ニュースリリース 2017年

2017.07.11

プロジェクションマッピングで山岳トンネルの掘削管理
〜インバート底面の掘削具合を可視化〜

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、山岳トンネルのインバート(トンネル底盤コンクリート)施工の効率化と安全性の向上を目的に、3次元スキャナとプロジェクタを一体化した、インバート底面の掘削具合を可視化するシステムを開発しました。このシステムにより、インバート底面の掘削の過不足を数値化し、その値を実際の底面上に色分け照射(プロジェクションマッピング)できるため、作業員は過不足の値を視認しながら無駄なく掘削作業を行えます。インバート底面の3次元形状のデータ取得から、解析、照射までに要する時間はわずか1分程度です。

山岳トンネルでは、地質の悪い地盤を掘削する際にトンネルの変形・崩落防止のために、トンネル上部にアーチ型の鋼製支保工を所定の間隔で建て込むとともに、底部にはインバートと呼ぶコンクリート製の底盤を築き、支保工と一体化してトンネルを保護します。

インバート施工では、最初にトンネル底部を掘削してコンクリートの打設スペースを設けます。ただ、掘削深が設計の計画面に対して浅くなると所定の品質を確保できず、深くなると余分な掘削土砂(ズリ)と調整手間が生じ、コンクリート打設量も増加します。このため、作業員が掘削作業を中断して掘削目標形状をかたどった施工用の定規を使い原始的な確認作業を10分〜15分かけて実施し、掘削深の不足個所を繰り返し掘削します。ただ、従来の確認方法を繰り返すと掘削作業の妨げとなり、掘削作業を優先すると無駄が多くなります。

新開発のシステムはこうした課題を一挙に解決するもので、インバート底面の表面形状を3次元計測するスキャナ、計測値と設計計画面の差異を瞬時に求め、その差異を底面表面に色分け表示する画像データを作成する解析ソフト、画像データを底面表面に照射するプロジェクタから構成されます。

システム使用時には、初めにスキャナとプロジェクタからなるシステム本体をインバートの施工個所付近に設置し、スキャナでインバート底面と周辺の3次元の形状データを取得し、解析ソフトにフィードバックします。解析ソフトは得られた形状データからプロジェクタの3次元位置情報を認識し、3次元形状データと設計計画面との差異を瞬時に求め、プロジェクタからインバート底面に照射する画像データを作成します。一度に照射できる画像の面積は約30m2(幅4m×奥行7〜8m)で、実際の底面と設計計画面との差異を5p単位で色分け表示できます。

このシステムにより、作業員は掘削すべき場所と掘削量を容易に視認できるため、掘削効率が格段に向上するとともに、足元が不安定な場所での底面形状の確認作業がなくなるため作業の安全性も向上します。当社は今後、このシステムを山岳トンネルの現場に水平展開するとともに、トンネル上半の掘削作業への展開に向けた技術開発にも取り組みます。なお、7月12日(水)〜14日(金)に名古屋国際会議場で開催される「第52回地盤工学研究発表会」の技術展示コーナーに本システムを出展します。

以 上

≪参考≫

表面形状と設計計画面の比較

インバート底面に照射した画像データの様子

ニュースリリースに記載している情報は、発表日現在のものです。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、お問い合わせください。


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