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ニュースリリース 2012年

2012.07.30

業界初の超低収縮コンクリート「ゼロシュリンク」
〜技術研究所の実験施設に初適用し、ひび割れ防止〜

清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、コンクリートのひび割れ防止を目的に、その原因となる乾燥収縮がほぼゼロになる業界初の超低収縮コンクリート「ゼロシュリンク」の製造技術を確立しました。実用化第一弾として、4月に着工した技術研究所の新材料実験棟と新多目的実験棟の低層階床に打設、最終的には外壁も含め約250m3を打設します。採用理由は、建物の機能や意匠の自由度を制約するひび割れ誘発目地等を設けることなく、低層階の床や壁に生じやすいひび割れを防止するためです。

コンクリートには、硬化後に乾燥収縮する性質があり、それがひび割れを発生させ、構造物の美観や漏水抵抗性を損なうおそれがあります。また、サステイナブルな社会の構築に向けてコンクリートの長寿命化が求められていることから、ひび割れによる鉄筋の腐食を防止し、耐久性を向上させることが大きな課題になっています。

ゼロシュリンクの基本的な考え方は、コンクリート構成材料の厳選と配合の最適化により、コンクリートの乾燥収縮を極力防止した上で、わずかに生じる収縮を膨張材による初期膨張効果により事前相殺し、収縮をネット・ゼロにするということです。開発にあたっては、骨材やセメント、混和材料等の多種多様な構成材料の中から、これまで蓄積してきた知見に基づく理論的検討と実験の繰り返しにより、収縮防止に貢献する個々の材料特性はもとより、材料同士の相性までを踏まえて最適な材料と配合方法を究明。その結果、乾燥収縮量を材齢182日で通常のコンクリートの1/8となる、わずか0.1mm/mに低減することに成功しました。

乾燥収縮の防止にあたっては、セメントと骨材、収縮低減剤の選定がポイントになりました。セメントについては比較的収縮量が少なく、初期の温度収縮も低減できる中庸熱ポルトランドセメントを、骨材については吸水率が低く、殆ど収縮しない石灰岩を採用。ただし、採用にあたっては、セメントの収縮量低減と石灰岩の砕石・砕砂が起こしやすい材料分離の防止が課題になりました。これらの課題については、セメントの収縮を最も効果的に防止する高い保水性能を備え、かつ材料分離に抵抗する粘性を備えた収縮低減剤の採用によりクリアしました。

一方、構成材料の中で配合調整が最も難航したのが膨張材です。これは、他の構成材料との相性により効果が大きく左右され、かつ膨張量の制御だけではなく、コンクリート内部に働く膨張力で収縮力を相殺するという見えない世界での制御が必要になるためです。このため、実験と当社独自の膨張効果予測手法による検討を繰り返して配合量を確定し、収縮ネット・ゼロを達成しました。

ゼロシュリンクの適用範囲は広く、美観を重視し打放しコンクリートを採用するような美術館等の文化施設、ひび割れに伴う漏水リスクを軽減したい貯水構造物や遮蔽施設、目地のないスラブが必要な生産工場など様々です。当社は今後、こうした施設の発注者に対して、ゼロシュリンクの採用を積極提案していく考えです。

以 上

≪参 考≫

1.コンクリートの乾燥収縮ひび割れ

コンクリートは、圧縮強度は高いものの、引張強度は極めて小さい。通常のコンクリートの乾燥収縮量は0.6〜1.0mm/mにもなるが、伸び能力は0.1〜0.2mm/m程度しかない。このため、コンクリートが乾燥収縮する際に、鉄筋等によって拘束されることにより、収縮量が伸び能力を上回るとひび割れ(クラック)が発生する。

2.コンクリートの乾燥収縮

コンクリートが硬化する過程で、中に含まれている水分が蒸発することにより、コンクリートの体積が減少し、収縮する現象。

3.中庸熱ポルトランドセメント

コンクリートの硬化時の発熱を抑制するセメント。

技術研究所新実験棟に打設中のゼロシュリンク

ニュースリリースに記載している情報は、発表日現在のものです。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、お問い合わせください。


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