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清水建設(株)〈社長 野村哲也〉はこのほど、建築分野で既に適用実績をもつ耐火コンクリート技術のノウハウをもとに、シールドトンネル用耐火コンクリートを開発、各種耐火実験を行いその性能の有効性を確認しました。土木分野における耐火コンクリートの開発は、建設業界では当社が初めてです。今後は、施工性やコスト面の確認・実証を行い、実用化を図る計画です。
最近、海外では韓国の地下鉄火災を始めとして、トンネル火災が相次いでおり、これに伴い国内でも、トンネルの耐火対策について事業者の間でさまざまな議論がなされています。特に、都市部の高速道路は地下化の傾向にあり、トンネル火災に対する対策は必須となっています。
現在、国内では、トンネルの耐火対策を行う場合は、トンネル覆工内側に耐火被覆としてセラミック製パネルを設置していますが、コストが一般に高いと言われています。
今回、当社が開発したシールドトンネル用耐火コンクリートは、コンクリートの中にポリプロピレンなどの合成繊維を混入し、トンネル火災時のコンクリートの爆裂を抑制するものです。具体的には、混入した合成繊維は火災時の熱で溶融・消失してコンクリートに微細な空洞をつくります。この空洞が表層の熱膨張力や内部で膨張した気体の圧力を緩和する役割を果たし、表層の剥離・飛散を防止して、コンクリートの爆裂を抑制します。
今回の耐火実験は、従来のシールドトンネルで使われているコンクリートセグメントと同等の材料配合の試験体と、その試験体と同じ材料に合成繊維を混入して耐火コンクリートとした試験体とを、同じ条件下で比較しながら試験体の形状を変えて約30回にわたり実施しました。合成繊維は、混入率による耐火性能の違いをみるために、コンクリートに対する体積比で0.1%、0.3%、0.5%の3種類としました。
実験での加熱温度は、5分間で1200℃に達したのち30分間継続するトンネル火災試験用の温度曲線(ドイツ交通省道路建設部で設定しているRABT(ラプト)温度曲線であり、国内では、事業者がトンネルの設計・計画時の参考にしている。)を使用しました。
実験の結果、合成繊維を混入しない従来のコンクリート試験体は、加熱2〜3分後に剥離が生じ、その後、徐々に爆裂が発生・拡大しました。一方、耐火コンクリートの試験体は、合成繊維の混入率が一番少ない0.1%でも最後まで爆裂が起きず、シールドトンネル用コンクリート材料としての耐火性能の有効性を確認できました。
以上から、シールドトンネルに耐火コンクリートのセグメントを採用した場合、予想されるメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
従来の耐火被覆としてのセラミック製パネルと比較し、合成繊維の材料費および混入作業費が非常に安価なので、耐火対策費の大幅な削減が可能と考えられます。
シールド掘進と同時に耐火トンネルを築造できるので、別途に手間のかかるセラミック製パネルの設置の必要がなくなり、工期の短縮が可能と考えられます。
今後、当社は、実際の工事への適用方法として、(1)セグメントを耐火コンクリートで製造する方法、(2)パネルを耐火コンクリートで製造してセグメントに取り付ける方法、(3)耐火コンクリートをセグメントに吹き付ける方法、について、コストを含めた詳細な確認実験を行い、実用化を図る計画です。同時に、経済的な耐火トンネル築造技術として、各事業者に提案していく予定です。
以 上
《参 考》
| RABT(ラプト) |
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Richtlinien für die Ausstattung
und den Betrieb von Straβentunneln
(道路トンネルの設備や運用の規準)の略。 |
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